ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

「北木島」は島全部が御影石です

木これまでのクルーズは長距離中心であったので、この10月は近場の島々を訪ねることにしている。艇、特にペラに付着するフジツボ対策のため、またそろそろ出航したいと思い始めた。紅葉の時期になるが、今年も暖冬のせいか瀬戸内海にまだ紅葉の便りを聞けていない。厳島の紅葉は、11月中旬位になると思われるので、今回も近場の島々(北木島と真鍋島)を1泊2日で訪ねることにした。

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北木島」は、ホームポートである「仁尾マリーナ」から北に向かって約40分(25ノット)の所にある、北木石(御影石)で知られている島である。人口は800人程度あるため、人の動きも島内を移動する車の動きもそれなりにあった。これだけの規模なのでGSは勿論あった。ただし、第一、第三土曜日は1430まで、日曜日は全て休みである。

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北木島」でプレジャー艇が利用できる泊地は、島北側の豊浦港(正面は白石島)にある海の駅(ケーズラボが管理)と、東側の楠港(正面は真鍋島)の2カ所となる。前者は有料で一泊3000円(30f以上、以下なら2000円)、後者は通船桟橋の空き利用だが、地元自治会が清掃などを担当している関係から一回千円の協力金(利用料)が必要となる。ただし、連絡先の表示がなく、通船が来る時間帯になると現れると言った次第である。

管理人のk氏は翌朝、630の発着便時に現れたが、この日は病院船が来るとのことで興味が湧き暫く止まった。たった3人の楠集落のお年寄りの乳がん検査のため、この船が来るのである。乗組員に聞くとこんな感じで、島々を回るのだと言う。この診療船「済生丸」を舞台にしたTVドラマが「海の上の診療所」(松田翔太主演)として2013年にフジTV系で公開されていたとk氏から聞いた。帰ったら、Uチューブで見てみよう。

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私は「ユーコーマリン」を一度訪ねてみたかったので、訪問に便利な東側の楠港につけた。係留場所は写真のとおり、桟橋と堤防に挟まれた狭いスロットであった。水深は3.8m(干潮時)確保されていたので、堤防側に寄り過ぎなければ安全に着けられる。ちなみに施設的には何もない。最寄りトイレは大浦港まで歩いて30分、豊浦港まで40分かかる。一応、k氏には他の島桟橋利用の状況を伝え、連絡先の表示とトイレの設置をお願いしてみた。

 さて、島を5時間かけて歩いて散策したので、以下に簡単な紹介をさせて頂きたい。

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これが「ユーコーマリン」の北木島本社。残念ながら、この日は日曜日だったので店内に入ることはできなかった。

北木島」は高度経済成長時代、新幹線、高速道路工事といった大規模インフラ工事で使用される石材を賄うため、石材事業者が200軒近くあったようだが、今では本格的な石材事業者は1軒のみとなっており、廃業した石材加工場跡がそこら中に残されている。恐らく、「ユーコーマリン」はその石材加工場跡を改修してロフトにしたものと思われる。きっと大型クルーザーのセールも一面に広げられるほど中のロフトは広いと思われる。

 

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ここが豊浦港の「ケーズラボ」。この施設前から見える赤い桟橋(徒歩3分)が海の駅桟橋となる。利用料はこの施設内の券売機でチケットを買って受付窓口に出す。観光をしたいのであれば、レンタル自転車をここで借りることができる。「北木島」は想定より大きく自転車の方が楽しめる。また、施設の中にある「ストーンミュージアム」(600円)に入れば島の歴史がよくわかる。

 

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島はどこも表層を剥がせば、その下は御影石となる。実に御影石でできた島と言える。石切場は「丁場」と言われ、放置されれば雨水が溜まって池になる。コスト的には、表層を剥がすより、地中深く掘り進んだ方が安いので「丁場」は海水面より深くなりこともしばしばで、地下数十メートルに及ぶと言う。尚、北木島で産出された御影石日本銀行本店、日本橋三越本店靖国神社の大鳥居などに使われている。今は、高級墓石として使用されているらしいが、将来は決して明るくない。

 

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おそらくこの島では、木より石の方が安いのかもしれない(笑)