ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2021年春 ボートで行く隠岐島・舞鶴クルーズの準備

いつもなら、クルーズ前は風予報サイト「WINDY」をチェックしながら出港のタイミングを見計らうのだが、2020年、2021年は連続してコロナ緊急事態宣言情報のチェックが加わる。今日(2021年5月16日)現在、西日本エリアでは大阪、兵庫、岡山、広島、福岡県にそれが出ている。いずれも宣言の対象地域は、新幹線の停まる大都市となっている。

幸にして、今回のクルーズは瀬戸内海から関門海峡を抜けて山口県島根県鳥取県、そして兵庫県京都府日本海側となる丹後・舞鶴の往復コースである。今の緊急事態宣言であれば、立ち寄り予定の中に対象地区はほとんどない。一ヶ所、給油のため福岡県新門司マリーナに立ち寄るが、同マリーナから旧門司市街までのアクセスはタクシーしかない。まさに陸の孤島、きっとコロナはいないであろう。

こうした状況のもと、いよいよ出港の日が迫ってきた。今回のブログは、日本海のロングクルーズを計画されるボート・ヨットマンの方々にその状況を共有するために書こうと思っている。

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上記マップのような日本海クルーズ、それも北前船が立ち寄った港をめぐるとなると、寄港先には海の駅、大型艇を受け入れられるマリーナが少ない。これは今までの瀬戸内海や九州エリアと違う。民間のマリーナはプレジャーボートの対応に慣れており、いざという時の駆け込み寺にもなるので実は頼もしい。岸壁への係留については、干満の差が少ないと聞くので瀬戸内海よりは難易度は低いであろう。干満の差が小さいとはいえ、その岸壁には尖った貝が沢山付いている。そこに岸壁吹き寄せの強い風と波の到来、これは悪夢に近い。したがって、事前の岸壁係留準備も周到となってくる。

例えば、以下のようなものである。

1)テンダーの準備

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既に、5月14日付のブログ「ラブ・ミー・テンダー」で記載したが、テンダーを搭載していく事にしている。寄港地が漁港、一般港が多い事、日本海の港は冬の荒天を前提に周到に岸壁で囲まれているところが多い。全ての寄港先を「Googleマップ」で探し、拡大して接岸場所に当たりをつけておいたが、当然1番陸に近い、アクセスの良い所に着けられない。たいがい、ぐるっと回った堤防の端っこを指定される。テンダーがあれば一直線なのにと思う瞬間である。さらに運よく横付けできても風によってはケッジアンカーのセット、槍ずけならばスターンからの投げ込みアンカーの効き具合チェック、最悪の場合、沖の一文字堤防に係留なんていう事も想定しておかねばならない。いずれもテンダーがあれば心丈夫。勿論、海面が静かなら水深を気にせず、海からの観光も楽しめる。そんなことを諸々考えたら、邪魔にはなるが、やはりテンダーを積んで行こうと思った次第である。

2)メイン、バウスラスターバッテリーの交換

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「バッテリーの交換目安は2〜3年、2年以上使用しているバッテリーが上がってしまった場合には新品バッテリーへの交換を勧める」とは、バッテリーメーカのコメントである。既に5年が経過、消耗品と割り切って念のため全てを新しくした。アクセサリーバッテリーの他に「PRODA  NEO」という」トラック、建機向といった業務車両用の大型バッテリーが計4個積まれている。まずはメインエンジン起動用の2個を交換し、続いてバウスラスター分の2個も交換する事にした。因みに、バッテリーが劣化して来るといくら充電のために陸電で長時間チャージしていてもバッテリー充電が十分にされなくなる。一応電圧は規定ボルトに届いているので、その時点では電圧低下表示のみが出て、瞬間的には使えてしまう。しかし、連続して使うと化けの皮が剥がれる。すぐに電圧が低下して容量不足になってしまう。(バウスラスターに顕著)日帰りなら一回エンジンが掛かれば、発電機による充電が進み、その日帰港するぐらいまでは電圧降下現象が出ることはないので交換を先送りすることもできる。しかし、やはり漁港での接岸が通常となる今回はスラスターを使う頻度も高まるのでやはり交換しておく事にした。

3)涙滴フェンダーの用意

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クルーズ先では、ホームポートの浮桟橋で使っている小型フェンダーだけでは心許ない。岸壁係留になればなおさらである。よって、いつもはインターコムの「インフレータブルフェンダー」を積み込んで使っている。謳い文句は「防弾チョッキ用のケプラー素材で作られている」であるが、実際に種子島西之表港で10m超の寄せの強風下、フジツボだらけの岸壁に波でガンガンと擦られた時はさすがに穴が空いてしまった。幸い、修理が叶うので今も使えている。そのような場合は「バスマットをガムテープで巻き付けて使えば良い」とは、某先輩のアドバイス。このアドバイスに従って、以降はバスマットとブルーシートを積み込んでいる。さらに今回は、涙滴フェンダーも新たに購入して対応力を引き上げている。

こうした準備策の他に、岸壁ビットと艇の舫ロープの擦れ対策としてステンレスワイヤー、伸縮梯子、バールを積んでいく。オイル(エンジン、ジェネ)の交換、ジンクの新規取り替え、船底タッチペイント処理は無論やっておいた。

このブログを書いている最中に僚艇「ワイヘケ」が仁尾(5/4)→尾道→ゆたか→おおがき→武蔵まりんぴあ→別府→室津→おおがき→ゆたか→仁尾(5/19)を15日かけて走破して無事帰ってきた。梅雨入りがいつもより20日早い中、きっとクルーズ中は湿気ぱなっしの航海(後悔?)だったかもしれない。いずれにしても、次回の茶話会でこの航海をネタに大いに盛り上がりたいものである。