ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

トカラ列島と黒潮研究・ホンダワラ対策

このスクリーンショットは、気象庁のホームページ(海洋の情報、海流予想図)で、私がこれからクルーズするトカラ列島海域を流れる黒潮の様子(2022年4月22日)である。

黒潮研究を思いたったのは、岩城島の桟橋で出会ったシングルハンダーヨット(33f)マンが「沖縄を目指して、神戸から出航、屋久島までは行けたが、次の口之島に到達できず已む無く引っ返して今は神戸に戻る途上にある」と話してくれたからである。

「私も連休明けから奄美を目指すので、引っ返すに至った理由を知りたい」と切り出したところ、「黒潮が強く、ラムライン(目的地までを一直線で結ぶコース)を懸命に機走しても島に全く近づけず、東にどんどん流され、全く島に近づけなかった。それにホンダワラが凄くて、絡まったホンダワラを取るため4回も潜るハメになった。いやぁ、参りました」と頭をカキカキしながら答えていた。

彼の屋久島(宮浦港)→口之島(西ノ浜港)チャレンジは類推するに2週間ほど前の話であろうから、黒潮の流れは4月22日現在のものとは少し違っていたかもしれない。しかし、33fヨットの機走速度(彼は機走がメインで帆走は滅多にしないと言っていた)が5ktぐらいであるとすれば、直線コースを引いてこの黒潮の真っ只中を走り抜くという判断は過ちのような気がする。黒潮速度が2〜3ktとしても、屋久島→口之島間60マイルを一体何時間かけて走り抜くのであろうか。

その話を沖縄往復を何度もしてきたベテランヨットマンT氏に早速、メールで聞くと「このケースの場合、船速の遅いヨットであれば直線コースではなく、一旦は遠廻りではあるが黒潮の弱い所を狙って屋久からしばらく西航し、その後黒潮に横流れで押されるように口之島へ向かうべき。船速が速いボートの場合は当て舵程度の補正で十分!」。

続いて「ホンダワラの絡みつきについては、30fクラスの軽排水のヨット、船外機ボートの場合、ペラの位置がウオーターラインに近いので、海上漂流のごみ、海藻が絡むのは仕方がない。スイミングラダーがあれば艇から海面に降りるのも、そこからペラまで行って外すのも簡単にできる!」であった。

しかし、私の艇(PONAM-35)の場合、ペラまで海面から2m、まだ潜ってゴミを外した経験はない。沖アンカリンの時に試しに潜ってみたが、とてもペラまで行ってゴミを外すのは無理だと思ったからである。ペラに触るのがやっとの有様である。情けないがこれが実力。

従い、そのようなケースとなった場合は、後進をかけて外れる?切れる?を神にも祈る心境でやってきた。実際、取れてしまうケースが殆であったが、それでも取れない場合は、上がらないスピード、振動に耐えて低速で近くのマリーナまで行って上架依頼、吊るしたままでさっさと外して下架したことが一回だけあった(福岡マリノア)。トカラ列島奄美大島にそんなマリーナはない。よって今回は、ウェット、錘ベルト、ロープカッター(実際にはパン切りナイフ)、ゴーグルを積んでいく。勿論、出航前にこれらをまとって、ペラまで潜っての実地訓練もするつもりである。