ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2022年春クルーズ(奄美大島)-5日目 「ハウステンボスマリーナ」①

ハウステンボス」には「ハウステンボスマリーナ」が併設されている。双方ともに同じHIS社が経営していると思いがちだが、マリーナは長崎県の施設で、現在の母港である「新浜マリーナ」同様、ユニマットプレシャス社が指定管理者として運営にあたっている。九州はササキコーポレーションのマリーナ運営受託事案が多いが、ここではユニマットプレシャス社が頑張って指定管理者の地位を得ている。同社が運営するマリーナを母港にしている艇は同系列のマリーナ利用をするに際しては、ビジター料金最大30日分がかからない。(今回であれば通35fで一泊¥3500×5日間分のビジター料金が無料)

訪れてみれば、聞きしに勝る素晴らしいマリーナであった。唯一の欠点は陸電容量の不足から200Vターミナルがない事である。穏やかな海と「ハウステンボス」の施設に囲まれ、まるでニース、カンヌのマリーナのような錯覚も起きる(因みにいったことは無い)。そんな雰囲気のある静かなマリーナで、発電機を回せば、その音で夢見ごごちになれない。今回は5月なのでエアコンなしでも快適だが、真夏は常時必要になり、各艇がこぞって発電機を回すシーンを想像するとゾッとする。

「平戸港」を10時に出て、「ハウステンボスマリーナ」には11時30分に着いた。約30マイルの距離である。非常に穏やかな海域であった。

「平戸港」を出てすぐにくぐるのがこの「平戸大橋」、この橋ができるまでは平戸はフェリーで行くしかなかった。

途中の「針尾瀬戸」の通過(北航)にはいささか緊張した。時に「音戸の瀬戸」を思わせる水路の狭さで、かつ潮流が速く、航路は瀬戸全体を見渡せないカギ型のコース、そして、交通量が多かったからである。日本の4大急流(鳴門、来島、関門海峡針尾瀬戸)の一つと聞いていたので、憩流の時間(満潮、干潮ピークの3時間後)を見計らって入ったが、それでも潮流を強く感じた。先行艇に小型の内航貨物船、途中から横入りしてきた台船を曳行するタグボートとその警戒船が加わり、反対側からプレジャーボートと漁船が来た。航路を見通せるなら先行艇との間隔も考えられるが、転舵するたびに新たな先行艇の存在を知るのである。間隔維持のため、船速を落とすと舵の効きが悪くなる。さりとて水路が狭い上に鉤型のコースとなるのでおいそれと抜けない。少々緊張を強いられた。しかし、ここを通過すれば、後15分程度でマリーナを視認できる。赤青の航路標識の間を通過して進めば良い。

ここでは5日間留まるので天幕を張り、椅子とテーブルを出し臨時のテラス席を作った。すっきりと晴れ上がれば、やはり天幕がないと日差しが痛い。

さて、「ハウステンボスマリーナ」は陸の孤島、周囲には何もないと聞かされてきたが「ハウステンボス」には入場料金のかからないエリア(ハーバータウン)があり、そこで一通りの用事(食事、土産物店、コインランドリー)が果たせることを確認した。また、日帰り温泉もホテルヨーロッパからのシャトルバスを利用すると2分で行ける(徒歩なら15分)。

しかし、自炊食材を当地で調達するとなれば、最寄りのスーパーまでは、滅多に来ない各駅電車に乗って2駅、そこからタクシーという手段しかないこともわかった。やはり、「平戸港」で事前に食材調達して正解であった。

コインランドリーも確認しておいた。「ハーバータウン」内にそれを発見した。写真はその内部。今流行りのものではないが、清潔に保持されている。マリーナステイの人達がターゲットであろう。私もマリーナ滞在中に使うつもりである。

これが日帰り温泉、湯がぬるめだったという人がバス内にいたが、私には長風呂できて心地の良い温度であった。

この船、60馬力エンジンの2機掛け、ディズニーランドのように水面下に敷設された線路の上を走るのでなく、実際に船長が操船している。

自分の家の前に艇を係船できることを売り物にしたハウステンボス自慢の別荘群。バブル時代を思い出した。きっとその頃は、各別荘前に沢山の艇が繋がれ賑やかであった事であろうが、今は本当にまばら。立派な環境ゆえに、そのまばら感でなんとなく全体に寂しそうに見えた。「有名な前川清さんもここに別荘をお持ちです」とは艇内のアナウンスであったが、その名を聞いて「前川清って誰?」という他のお客さんの声。尚更、寂しくなった。