ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

▪️PONAM-35 、6年間でどんな整備が必要になったか?①ハル

2023年の春がやって来た。コロナ禍が続いた3年間ではあったが、艇を使った移動ということもあって、計画にはさしたる影響もなく、2021年は「日本海隠岐舞鶴」、2022年は「南西諸島・トカラ・奄美大島」を廻るクルーズを楽しむことができている。こうした1ヶ月超の長期クルーズに短期クルーズを加え、この6年間で訪れた港は120を越え、2020年には「舵社」からその中間報告ともいえる「四季のサイト・クルージング」と題する本も出してしまった。しかし、書店に並んでいた間、ずっとコロナ禍が続き、出版・販売としては向かい風、700冊程度は売れたと聞く。今時、書籍化という意見もあろうが、なぜか航海の、いや人生の記録として、本を出すことにこだわってしまった。一方で、私のわがままを聞き入れ出版企画に乗っていただいた「舵社」に対しては、これが事業として果たして同社期待に応えられたであろうか、心配になってきた。

 

これまでの6年間のクルーズを振り返えってみると、やはり初めての長期クルーズとなった「佐島マリーナから厳島神社」、そして昨年の「南西諸島・トカラ・奄美大島」がとりわけ思い出深い。特に後者は給油もままならない絶海の孤島廻りであり、いささか冒険じみている点で、今でもよく夢に見る。

 

一方で、我が愛艇「HAPPY」(ポーナム35)も今年2023年5月で船齢7年目に入った。アルミハルの塗装艇なのでいくら上等の塗装で出荷したとしても、あちらこちらで塗装の部分剥離が出始めている。この点FRP艇と違って何かと煩わしいが、長期航海に出るとハル自体の構造を生かしての振動吸収、分散効果に大いに満足して、その煩わしさをリセットしている。

部分剥離については、これまで臨時のタッチペイント的処理で凌いでいたが、その箇所から剥離が大きくなってきた。この辺りでプロによるガン吹き塗装をした方が良かろうと考えて依頼した。もちろんハル全体の再塗装ではなく、剥離部分とその周辺のガン吹き塗装処理である。それでもこれまでの刷毛塗りによるタッチペイント処理とは耐久性も仕上がりの美しさも格段に違っていた。

作業前日に3時間かけて艇体を納得のいくまで水で洗い流し、剥離箇所を確定、翌日の作業に備えた。幸いと装備は真夏日の快晴上天気、作業はサクサク、一日で済んだ。今日からはエンジンまわりの点検、その間の塗装乾燥を確認した後、念の為、一泊2日でのショートクルーズを行って整備の検収確認、その後に長期クルーズに臨むことになる。

行く先は第一ステージが対馬を経由してハウステンボス、そこで艇を預けて一旦帰宅、第二ステージが五島列島周遊、3ステージで平戸経由でホームポートに帰るという形でトータル40日ぐらいで帰ってくる計画を立ててみた。スタートが例年より2〜3週間遅くなるので、途中の台風の影響も考慮して旅程は緩やかにしてある。

 

さて、上記は塗装前の事前養生を示す写真だが、改めてこの事前養生の周到さに感心する。プロとアマチュアDIY)の差を象徴する事例であると思う。部分塗装ではあるものの、ガン吹きによる塗料の飛散を想定してこれだけの処理をする。塗装範囲も該当部分のみではなく、全体との色調整も視野に入れてその周辺まで大きく表面塗装を剥がして再塗装に臨むなどの手間をかけている。

その作業に立ち会いながら、作業2名の人件費、使用機材の償却費、材料費に適正利益、そしてマリーナからの場所費、管理費などの項目に思いを巡らせてしまった。こうなるとそれらを合算したマリーナからの請求額が、私の想定以上であったとしても致し方ないのかなぁと思ってしまう。