今年の7、8月は猛暑に酷暑が重なり、昼間は防空壕に避難しているが如きの生活を強いられた。窓から見える海岸も訪れる海水浴客の数は、今年はめっきり減った。ビーチBBQの匂いも、若い男女の声も、そして、ジェットスキーの騒音も消えた。夏は海のオンシーズンというのが一般的な理解だが、今年に限って言えば間違いなくオフシーズンである。
加えて我が香川県は水不足になり始めた。水瓶となる「さね浦ダム」の貯水率は例年に比べて相当に低い。だから、最近はマリーナでの水使用は大いに遠慮せねばならない雰囲気となっている。どうしてもという事情があるあるオーナーは「早朝、できればマリーナの定休日を狙っての水洗いしかできない」と、冗談とも本気とも取れる話を笑いながらしていた。私も同じ心境になる。
冒頭から話が横道にそれてしまった。今日のブログは「マリンエアコン用の海水ポンプ」交換の話だ。まずは下の写真を見てほしい。エンジンルームの船底中央部に設置されているのが「マリンエアコン用の海水ポンプ」となる。作業そのものは台座からボルトナットで固定されているポンプを、耐圧ホースと共に外して交換するだけのことである。

整備担当のO氏から「ポンプ、エアコン内に残っている海水を出すため水通しをしておいてください」といわれていたので、水洗キットを使ってマリンエアコン全体を洗っておいた。よって、交換中にエンジンルーム内に流れ出たのは水、海水ではないので拭き取りと掃除がいっぺんにできた。

この海水ポンプ自体は製造メーカーのトヨタが「PONAM-35」のために、「三相電機」(ポンプ専業大手メーカ)に依頼して特別仕様(3相230V)で製造したものである。よって、トヨタからの発注がなければメーカでは製造しない代物のようである。まず上に載っている箱状のものが制御ユニット、左部分はモータ部分、その隣がモータ軸と海水を送るインぺラを磁力を利用して接続回転させるクラッチ部分、その右がインペラが入っている格納ケースという構造である。何十年もこの姿は変わっていないと思われる。
各位ご承知のように、マリン関係も物価高騰が激しく、部品、製品の3〜5割の価格改定は当たり前になっている。だから、最近はマリーナ経由で部材調達する前に明らかに汎用品(例えばバッテリ)である場合は「モノタロー」、「アマゾン」等を検索して、同じ型番を探すようになった。そして、オーナー支給として持ち込むのである。その代わり製品に瑕疵があってもマリーナは責任を負わない。これは当然であろう。しかし、残念なことに一見汎用製品に見えたこの海水ポンプはネットで購入できなかった。
理由を知りたくて、さらに調べたところ「これはトヨタマリン向けの海水ポンプで一般販売していません」というメーカサイドの表示を発見した。これで覚悟した。つまり、マリーナ経由の調達前提で、納期も長くなって、価格は倍になることを覚悟せねばならないということである。
案の定、結果もその通りとなった。そもそも200Vの3相仕様の小型ポンプ(汎用品)なら約25万程度で売られていたが、この「25PSPZ-2031-BGTI」は、230V!の3相仕様で価格は50万もする。ポンプとしての性能は同じなのに、耐圧電圧が30V違うだけで価格がこれほど違うのにびっくりした。さらに、製造はトヨタマリンからの受注を確認してからとなるので、納期は3ヶ月後と知らされた。しかし、他のポンプで代替できないのだから致し方がない。

上記写真は「PONAM-35」で使用されていた新旧海水ポンプのツーショットだが、左が10年使用したもの、右が今回入手した同型の新品である。見た目はそっくりである。きっとこの10年間に大きな技術的革新は起こっていないと思われる。

近づいて見れば、塗装色、型番プレート、警告表示プレート、付属のネジ類も全く変わりがない。ただ価格だけが、凄いことになっていた。外観だけを見ると、10年の在庫製品を出された感じがした。

そもそも海水ポンプのどこに問題が起きたかというと、モータの回転軸にその回転を利用して回る冷却ファンが取り付けられていることに原因があるのではないかと思っている。
このファンの中央シャフトが錆びてモータ内に錆と汚れが一体となって逡巡し、時間の経過とともにそれが固形化して、接着剤のようになっていると推察した。本来の機能であるマグネットポンプやインペラに不具合が起こってはいないからだ。現象面としてはポンプが回らないので、海水がハル横から排水されず、エアコンが効かない状態となる。
クルーズ中なら毎日連続して使っているので固着が進まないが、1週間使わなければ軽い固着が始まり、1ヶ月もたてば起動もままならないほどに固着する。最近は慣れてきたので、固着発生のたびに手でアシストをして回してきた。但し、そのためには毎度エンジンルームの中に四つん這いになって入らねばならない。そして突き当たりで一回転して向きを変えて戻ってくる。これが億劫になってきたのである。もちろん、手で固着を解消させて始動してまえば、それ以降はなんの問題も起きずにエアコンは稼働状態を続ける。つまりモータやインペラには問題がないということだ。
修理という判断もあったろうが、ネットで調べると、メーカはこの海水ポンプの交換時期として「7〜10年」を推奨していた。これも10年に一度の大規模修繕項目の一つであろうと、自分に言い聞かせて今回の新品交換を決意したのである。
追伸
そもそもなんで230V仕様のポンプなの?という素朴な疑問に整備担当のO氏は「搭載しているONANの発電機が230/240仕様。大型艇の場合は、この電圧が欧米では標準、こうすることで同じ電力を送る時でも電流を低く抑えられる。結果、船内配線を細くでき、コストも下がりかつ発熱を減らせて安全、省エネになる」と教えてくれた。
さすが理科系!すごい!






























「日和佐港」では土日は公的施設が閉まるので、トイレは「日和佐駅」の駅舎トイレを使わさせてもらう(24時間)。駅舎には同町の観光協会が入居しており、その方が常駐しているので管理が行き届いている。係船岸壁から徒歩5分で着くが、もっと近場なら徒歩3分のところに「美波日和佐図書館」と「海上保安署」があリ、いずれのトイレも使える。しかし、これらは開業時間のみの利用となる。

















今日の泊地は「奈半利港」である。この港はプレジャー艇の来訪を全く想定していない一般港で、「奈半利漁港」と一体を成しているのだが、漁港には入らなかった。より静穏なこの漁港に着けたいのはやまやまだったが、前回(7年前)は入っただけで、漁師が手をクロスしてあっちに着けろと合図してきた。
















































