ボートで行くクルージング三昧

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2021年春クルーズ(隠岐島・舞鶴)6月12日 再び「浜田港」2日目

復航5日目:昨日午後に吹いた強い南風は夜には収まり、雨が降り出した。港内の海面は静穏に戻った。今日は次の寄港予定地である「仙崎港」近辺の海況が終日南東10m(最大15m)の風予報なので出港せずここに止まる。観光すべき場所も市内にはないので今日のブログはいささか退屈な内容になってしまうかもしれない。そこで、私が気がつき、答えを見い出した自作自演の「浜田港の不思議発見!」を紹介させて頂く。

その1  「なぜ海岸もないのに、風が強く吹くとこんなに砂がデッキにたまるのだろう?」

まずはGoogleマップを見てみよう。艇を止めている場所の遙か反対側にセメント工場があることがわかった。きっと風が強く吹くと野ざらしで積み上げている砂が拡散するのであろう。ロングクルーズには箒(ホウキ)も持参ということか。

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 その2 「なぜ、小型の巡視艇が港に入ってくると、配達給油の面々は逃げるように私の艇から離れたのか?」

「浜田港」には「浜田海上保安部」があり、大型の巡視艇の基地にもなっている。それに密漁、密輸を取り締まるための小型の巡視艇(ハルがグレイ)もあるようで、今回はその艇が港内に入ってきたのである。地元の漁師に聞くとその昔、港内で油、ビルジを漏らす漁船が多く、汚染防止のため罰金が引き上げられ、初犯でも最低40万、悪質、再犯なら100万にもなるので怯えているのだそうだ。運用も容赦なしに厳しいと言っていた。これに伴い岸壁での配達給油は原則禁止(やるなら応分の対策をした上で?)、吹きこぼし等をして港内に軽油をそれなりにたらせば、すぐに犯人探しが始まってしまう。更にこの罰金の運用は容赦がないのだそうだ。往航時同様配達に来たローリー車、職員は無塗装、無制服、石油元売ロゴマークはどこにもなく、私がこの軽油どこから持って来た?と揶揄ったくらいだ。これも違った意味での対策?まさかそうではあるまい。良質の軽油であったことは航海が続行できているので間違いないようだ。(ポーナム35のエンジンはコモンレール方式を採用した精密な直噴高圧ディーゼルエンジンなので良質の軽油が前提)

その3  「なぜ、観光地でもないのに浜田市駅周辺にこんなにビジネスホテルが多いのか?」

昨日、「有福温泉」に行くため浜田駅に向かったが、ビジネスホテルが、それも有名チェーン系の新しいホテルが多いのにびっくりした。寂しげな駅商店街とは好対照だったからである。運転手曰く、中国電力浜田市三隅町に石炭火力発電所2号機(石炭火力発電所 出力100万kw、22年11月稼働)を建設していて、これを当て込んで次々に出来たという。更に続けて、着工したのは良いがこの2年はコロナで当てが外れ、ホテルも飲み屋も大変だそうだ。つまり、4年間で数百億単位の投資がなされる大型工事需要を各社が当て込んでホテル建設したということになる。

このあたりで退屈しのぎの「浜田港不思議発見!」をやめておくが、振り返ると、ここまでの航程で「浜田港」には合計4日いたことになる。この長さは「境港公共マリーナ」と同様だが、同地は観光コンテンツとMBYCのホスピタリティで担保されており快適この上もない。

それでも「浜田港」に長くいたのは往航ではフラップ制御耐圧ホースの破れによる緊急入港とその対策、復航ではその際世話になったN氏への御礼と、「有福温泉」の再訪、そして「境港」で下船した副長のピックアップのための滞在であった。(広島駅からの直通高速バス)

次第に明日の出港準備が整うに従い、係留場所に鳥居がある「大歳神社」が気になり始めた。しかし、訪れてみると写真のように荒廃し、蔑ろにされていることがわかり心が痛くなった。これこそ「深草の少将」の有り様だと思った。

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 たまたま、高齢の氏子さんが1人賽銭箱の管理をしていたので「御祭神はどちらの神様ですか?」と尋ねると「八幡さんです、右奥にあるのは住吉さんです」と答えてくれた。創建は奈良時代聖武天皇の時代とされ、その根拠として式内社としての記載をあげていた。「浜田港」漁業の最盛期には漁労の豊漁と安全の神として多くの崇敬を集めていたという。その後、漁業が廃れ、更に宮司が絶えたことも加わり、このような有様になってしまったと話してくれた。

私としては、ここまで無事にそして残り一週間の無事航海と、「浜田港」での地元各氏の支援がなければ今回のクルーズは成就できなかったことへの感謝を示したくて一部ではあるが、神域を老人より竹箒を借りてしばし履かせてもらった。気持ちが大いに安らいだ瞬間でもあった。

明日は「仙崎港」に向かう。