ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

ナカシマプロペラで燃費改善。私の大好きな泊地「岩城島」往復で実感!

2024年10月10日、この10月10日という日は晴れの特異日とされている。かつての東京オリンピック(1964年)が始まった日でもある。以来この日は「体育の日」と呼ばれていた。

今年の10月10日はどうかというと、出港2日前まで連続で強い雨、風が続いていた。しかし、出港日は秋晴れになってくれた。特異日伝説は今も生きているようだ。

▪️プロペラ新調のため、整備メンテナンスに約2ヶ月を要した2024年

春夏ロングクルーズを7月中旬に終えてからは、恒例の整備メンテナンス期間に入った。最近は夏の暑さが尋常でないので、私にとっては8月、9月はオフシーズンになっている。今年は新規に発注したペラの製作に40日を費やしたので、物理的に乗艇できない期間が長くなってしまった。艇は最低でも月一回は動かさないと、色々な箇所で不具合が発生しやすくなる。特にバッテリー、電装周りに顕著な気がする。今回は2ヶ月ぶりの乗船となるので、念の為、前日に下架し、動作確認を隅々まで行うことにした。案の定、ジェネ、エンジンともにバッテリー性能が落ちて始動しなかったり、航海計器に不具合(主に接触不良)が発生したりして、全部を解消するのに半日かかってしまった。

▪️行き先は毎度お馴染みの「岩城島

今日の行き先は、毎度お馴染みの「岩城島」である。私はこの泊地が好きで、理由は沢山ある。近いこともさることながら、桟橋で直接配達給油を受けられたり(愛媛県漁協岩城生名支所)、24時間使える掃除の行き届いたトイレ、すぐそばの人気泊地「弓削島」の陰となって利用艇の少ない状況も都合が良い。週末、連休でなければいつも占有状態となる(40フィートクラスだと1艇しか止められない)。ちょっとした買い物なら「Aコープ」が目の前にある。ここが重要な点だが、夜になれば居酒屋「よし正」が開く。何かと至れり尽くせりの泊地である。

そんなお気に入りの「岩城島」に向けて「仁尾マリーナ」を12時に出港した。連れ潮もあって1時間後の13時に到着、途中海域は波なく、風なくの平水状態、サクサクと28マイルの距離を走ることができた。

3)「SEA SPIKA」がなぜ「岩城島」に?

岩城島」に着くと、瀬戸内海島旅高速クルーズ船「SEA SPICA」がフェリー桟橋に着いていた。このクルーズ船の観光寄港先には、平山郁夫美術館のある「生口島」(瀬戸田港)があるが、「岩城島」の名前はない。「これからは岩城島も観光寄港地になったのか?」と思ったが、桜の時期以外はさしたる観光コンテンツのない「岩城島」が寄港先に加わるのはちょっと考えずらい。想像だが、ここ「岩城島」に臨時で着けて、目の前からバス、あるいはレンタル自転車に乗って「生名島」、「佐島」、「弓削島」を結ぶ橋を巡るのツアーなのかも知れないなどと思った。ゆめしま海道橋巡りとでもいったところだろう。最近、新しく出来た「岩城島」と「生名島」を結ぶ橋の完成により、この4つの島全てが陸路でつながったからだ。

▪️新ペラに交換したら、燃料消費が15%改善!

さて、今回の一泊二日クルーズの目的は整備状況の確認の為である。一番驚いたのは、新規に発注したペラ(ナカシマプロペラ)の省エネ効果である。25kt(3200回転)巡航で、1時間あたりの燃料消費は旧ペラ時代(トヨタ純正)の115Lから98Lに15%も改善した。往復で30〜40Lの燃料が節約できたことになる。節約とはいっても「よし正」で呑めば足が出る。勿論、回転振動はすこぶる滑らか、というより感じられない。2024年で船齢8年目に入った「HAPPY」(PONAM-35)であるが、「ペラにも経年劣化が起こるので、走行性能は確実に落ちる」というナカシマプロペラ担当者の意見の正しさを得心した。

▪️ラダー軸清掃も効果絶大!

ラダー軸を抜いての清掃整備も2年ぶりに行なったが、これに異次元のステアリングの軽さがもたらされた。普段の水かけ洗浄では、ゴムパッキンより上の舵軸ケース内に入った海水の結晶化は阻止できない。1ヶ月に一回でも走っていれば結晶化の度合いも軽いだろうが、今年は炎天下8月、9月と2ヶ月乗らなかったので、きっと塩が結晶レベルまで硬化してしまったと思うからである。やはり2年ぐらいでの間隔で、バラして清掃しておくと操船が楽になる。

普段はオートパイロット走行なのでステアリングの重さを実感するのは離着岸の時だけである。しかし、荒天下では強烈な波当たりを回避するため常時ステアリング操船することになる。そして、あまりにその時間が長いと、最後は操船が怠惰になり、結果として艇体、人体へのダメージが大きくなる。

かつて、「奄美大島」クルーズの帰り、「屋久島→油津」(大隈海峡)で荒天航行になったが、その時は舵が重くて腕が疲れて、最後の方は怠惰な操船になってしまい、波にひどく叩かれた。「油津港」に入って確認すると、シートに当たっていた腰の皮が剥けてしまっていた。やはり、ステアリングは軽い方が良い。