ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

▪️ゲルコート表面リフレッシュと窓ガラスのウロコ取りメンテナンス実施①(下地処理工程段階)

マスメディアで「失われた日本経済、デフレ続いて物価上がらず」という解説をよく聞いてきた。しかし、少なくともボート、ヨットにはこのデフレ圧力は当てはまらないと思う。例えば、私が乗っている「PONAM−35」の新艇本体価格は2016年が約58百万、それが2023年には約80百万、この6年間で約40%近く値上がりしている。もちろんこの価格には私が追加したオプション費用は含まれておらず、もし同じ仕様で2023年に発注すれば価格は1億を超えてしまうのではないかと思慮する。アマゾンで扱っているガラクタ類(大半が中国製)を見て安い!安い!と買っている間にその外では猛烈な価格上昇が起きていたということになる。

そのようなわけで、船齢7年目に入った「HAPPY」をもっと大切にしなくてはと思い、これまでのエンジン重点の整備に加え、ツヤを失い始めた感のある外観に「ガラスクリア親水コーテイング」(ウエビット社、高松)を施すことにした。

以下に作業手順、作業内容を記す。読者の皆さんのメンテナンスの参考になれば幸いである。

 

1日目:「足場組み」と「研磨剤入りシャンプー」を使っての洗浄

まずは「足場設置」となる。マリーナと事前に打ち合わせした場所(電源、水栓、駐車スペース、足場トラック搬入と荷卸場所)に艇をあらかじめ移動し、そこに足場を組んだ。この足場費用関連で10万はかかった。その後に「研磨剤入りシャンプー」を使って手洗い(エンクロージャー、ノンスリップを含むデッキ、キャビン廻り、パルピット等でハル部分はアルミ塗装なので除く)、家庭用高圧洗浄機(ケルヒャー)で洗い流し。足場があるおかげで隅々、特にFBの屋根、エンクロージャがよく洗えていた。

 

2日目:「下地処理」のための磨き

初日の洗い段階を経て、この日は番手の違う4本の研磨剤を使って磨く作業となった。「下地処理」である。3名の作業員が一日従事していた。報告によれば紫外線や雨の影響を強く受けていた箇所(例えばFB屋根)は「チョーキング」という現象を起こしていたそうである。別名「白亜化現象」とも呼ばれ、外表面を指で触って、顔料のようなものがつくことをいうそうである。これが起こると、顔料粉に埃、砂が混じって濃厚な雨垂れ跡を艇体に残すことになるので良く分かるそうだ。ただ洗えば良いという物でもないらしく「原因を断たなければ駄目」とは社長の弁であった。

また、PONAMー35の場合、サイドの黒い意匠部分の表面ツヤ劣化が最初に起こることになる。同型艇に出会う時、新艇でない限りこの部分から表面ツヤの後退が起こっている。大体3年目ぐらいからだが、市販のワックスでは艶が戻らない。そこが、下2枚写真のように綺麗に復活していた。しかし、このあと「表面処理」してどのくらい持つのか、気になるところである。

 

3日目:「ガラスについたウロコ取り」


艇体の磨きが終わったので、それらを一旦洗い流した後、今度は「ウインドウについた水垢ウロコ取り」作業が始まった。実はこのウインドウ作業が一番厄介だそうで、「研磨の摩擦熱が発生するため、温度が下がり切らない前に水を掛けるとガラスが割れてしまう」のだそうだ。この作業、FB屋作業をじっくりやるには、足場は必須だと思う。

作業工程はこれまでの3日間をもって、いわゆる「洗浄、磨き」といった下地処理工程が終わる。続けて最後の表面処理工程に移りたいのだそうだが、塗布後24時間の完全乾燥を経て最終磨きを行うプロセスだそうで、天気予報を睨んで2日間連続雨なし期間を待つことになった。

次回は、その工程を披露したい。