デッキのシリコン目地に付いた黒カビをとるのは、なかなかやっかいなものである。表面が硬く水を弾く素材に黒カビが発生した場合は、「カビキラー」、「キッチンハイター」が有効である。しかし、艇に使われる目地材は接合部での水密力を担保するため、シリコン樹脂が使われる。これに黒カビが付着すると、その菌はシリコン樹脂奥深くに入り込み漂白剤では取れない。私の艇でも上記写真の示す通り、白地の目地は黒地の目地と化してきた。
これを整備のO氏に照会すると「目地を全部剥がして新しくやり変えるしかない。シリコンシーリングの材料は千円もかからないが、養生作業に手間がかかり請求額がそれなりの金額になってしまう。自分でやるのが賢明な判断」との御託宣。
ということで、「コウナン」で事前に揃えたのが下の写真。あとこれにヘラが加わる。
両舷全部で8時間の作業となった。内訳はシリコン目地剥がしと、剥がし後の掃除で7時間、ほとんど全ての時間が養生作業となった。これに対しシリコン注入と表面処理(ヘラよりも指の方が簡単という人もいる)はわずかに1時間、材料費はシリコンシーリング剤2本とメンディングテープ(実際に使用したのは2本)の合計千円しかかからなかった。
仕上がれば目地が真っ白、掃除好きの私にとってこの上のない満足。遠目ではまだまだ綺麗だが、近くで見れば、水洗いでは取りきれない汚れも散見され、紫外線による艇体上部ゲルコート部分の退色、変色も気になり始めてきた。船齢4年の為せる所、致し方ない。