ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2019年春クルーズ(九州)5月10日 五島列島 荒川

昨日は地元船漁師の「雨が止んだら、凪になる」予報の通り夕方から完全な凪になった。その夜は一晩中目がさめる事なく、朝を迎えた。朝一で「DONのヨット暮らし」をチェックすると、「いのち綱を着けて潜る、南紀白浜綱不知着」と題して詳しい情報が記載されていない。ちょっと心配になる。
 
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先程、ホームポートで親しくさせて頂いているT氏からメール届いた。氏はセーリングクルーザー(CONTEST 42f)のオーナーでロングクルージングのベテランだが「ヨットでは考えられない速さ・スケジュール、艇速が3倍というのは、やはり魅力…」とある。確かに既に仁尾マリーナを出港して、22日目だがエンジンアワーメーターでは37時間しか経過してない。一回の海上クルーズ時間は平均3時間、海は怖くて怯えながら走っているに近い。
 
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奈良尾港」を840に出て「若松瀬戸」を北上して五島列島の西側に抜け「荒川漁港」に向かった。到着は1110、2時間半、その間、完璧な凪が続いた。
 
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荒川漁港である。見込んでいた浮桟橋が漁船でいっぱい、空いているスペースに仮留めして前の漁協作業所で尋ねると、「空いていても次々に漁船が来るので、あそこはダメだ。もっと奥ノ空き岸壁にしてくれ」との返事。早速、「荒川漁港」奥の停泊場所を探したところ、良い浮桟橋を見つけ、接岸。目前の家のご主人らしき男性に事情話すと「よかよか」の返事。燃料は「ENEOS」(荒川給油所)で配達可能、但し免税で、128円/L。

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A)当初目論んでいた場所。B)実際に停めた場所。

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「荒川漁港」には、店は一軒も無い。従い食料の調達も出来ないので居酒屋を探した。桟橋で話し込んだダイビングショップの人にこの店を紹介してもらった。ここは唯一の営業している店、あとは天然温泉センターのみである。「今日は何にも無いよ」と、女主人が言うのだが、「そこをなんとか…!」と交渉したら「行くついでがあるから、福江でお刺身でも買ってきてあげる」との返事をしてくれ、商談が成立した。
 
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2019年春クルーズ(九州)5月9日五島列島 奈良尾

夜明け前から北東の風が強まり、船の揺れと当たる波音で目が覚めた。「奈良尾港は五島中通島の中で最も悪い港、この桟橋は北東の風になると風と波が港入口(北東に向かって開いている)から直接やってくる」とは、朝桟橋に来た漁師の話。もみくちゃ状態の私の船を見て気の毒に思ってくれたのか、一本釣りして来たばかりの生きた鯛をくれた。夕食時、前菜として刺身、残りをあら汁にして食べたが、表現する言葉がない程に美味い。

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複数の地元の漁師に「奈良尾港」の事を尋ねると、すこぶる評判が悪い。「北東の風に加え南が吹いた時も港内グチャグチャ、もし停泊めるならこの桟橋ではなく、フェリー桟橋の陸側が良い」というアドバイスを貰って、現地を見に行った。その場所は下記写真であるが、午後になったらその場所に、セーリングクルーザーが2隻着けていた。良くご存知のようだ。但し、海が荒れて波により大きく横揺れした場合、桟橋の屋根にFBが当たる可能性があるので私は選ばない。だだし、風はフェリーターミナルの影になるのでかなり軽減される。

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「奈良尾レンタカー」から軽自動車を調達して「奈良尾港」のある「中通島」観光に出かけた。先ずは「頭ヶ浜天主堂」。

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次に「青砂ヶ浦天主堂」を回った。ここは私の大好きな「男はつらいよ」で樋口可南子がマドンナ役で出会う事になる教会である。

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そして、木造の「中ノ浦教会」

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奈良尾港」は昭和の時代、「中通島」トップクラスの隆盛を誇っていたと聞いた。しかしながら、今は見る影もない。お陰で我々プレジャーボートの係留に寛容なんだろうと思う。そんな当地に新規オープンしたのがホテル「マルゲリータ」、東京の「際コーポレーション」(紅虎餃子房)が奈良尾市の既存施設(旧温泉会館)を完全リニューアルしてスタートさせたと聞いた。リニューアル直後ということもあり、とても綺麗で、しかも洒落ている。日帰り湯も可能で、通常大人800円(島外者)だが、60歳以上は400円!中々のものであった。

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2019年春クルーズ(九州)5月8日五島列島 奈良尾

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昨日出ていた強風注意報は夜中のうちに解消され、朝からベタ凪になっていた。出港にあたってまず燃料を満タン状態に戻す為、230L(累積3000L)入れて940「長崎サンセットマリーナ」を出て、ほぼ真西に進んで「奈良尾港」に1140到着した。フェリーターミナルの奥に青く塗られた桟橋が有り、皆さんそこにつけているようだ。仮もやいして桟橋を見ると地元船が常時つけている形跡があり、そこを避けて港入口側の海側スペースにつけた。(案の定、夕方漁船が帰ってきた)この桟橋には給水、給電設備はないが利用料は取られない。トイレはフェリーターミナルのそれを借用出来るが、深夜、早朝は閉まってしまう。

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給油は桟橋から見える「ENEOS」が桟橋まで配達してくれる。ここでも200L(累積3200L)入れて」満タン戻しにした。水はこのガソリンスタンドで分けて貰える事になった。想定外だったのは、コインランドリーが隣にあった事。
 

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これまで、沢山の港町にもやい、その地のローカルの魚屋やスーパーを訪ね、美味しい魚を基本刺身にして、他には煮魚、焼魚にして食してきたが、それまでの「美味い」を飛び越してしまうのが、五島列島の魚である。理由はわからないが、私なりの仮設を立てると「@天然物」に行き着くのではないかと思う。この写真に写っているのは、「キビナゴ、ヒラマサ、サザエ、イカ」の刺し盛りだが、締めて1500円である。何もない五島列島かもしれないが、私が何故、再びここに来てしまうのか?その理由に気付かされた五島列島ファーストナイトであった。
 
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2019年春クルーズ(九州)5月7日長崎

昨日とはガラリと変わって強い北風の吹込(強風注意報)で始まった。ビジターズ桟橋は高い岸壁に沿って敷設されており、艇への風当たりはかなり弱くなるが、それでも桟橋寄せの風、青の大型フェンダー、白の中型フェンダー総動員している。長期クルーズ中は、様々な係留を強いられるので大型エアーフェンダーと、舫ロープのスレを回避する為のワイヤーの持参は必須と思う。エアフェンダーはパンクし易いので、予備1本をしまっておきたい。(種子島西之表港岸壁で1本パンク)

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本日はマリーナ自体が定休日の為、同マリーナから長崎市内への無料シャトルバスも休止となる。「長崎サンセットマリーナ」と長崎市内を結ぶ公共バス便はあるにはあるが、午前中に2本、戻りにいたっては1本しか無い。これらのバスと路面電車、歩きを駆使して「浦上教会」、「長崎原爆資料館」、「長崎歴史文化博物館」に行き、最後は中華街 「江山楼」で名物料理を食して戻ってきた。これができたのは前回と違って2度目の訪問だったからである。

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昨年夏に「長崎出島」を折り返しとしたクルーズを行い、長崎訪問は2度目となる。夏の高温注意報の中での観光地訪問はきつかったが、今回は薫風爽やかに快適であった。この平和記念像の天に向かって差し上げた方向で爆発した(タクシードライバーの説明)を信じたが、実際の爆心地は「爆心地公園」のあるところである。

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昔、自分の父親が懐かしの歌謡曲で「長崎の鐘」(藤山一郎)を聞いていたことを思い出す。その意味が、ここ「浦上教会」に来て初めて分かった。

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ここ長崎では「サンセットマリーナ」、宮崎には「サンマリーナ」、伊東なら「サンライズマリーナ」太陽関連の名前を拝するマリーナは多い

2019年春クルーズ(九州)5月6日長崎

給油150L(累積2770L)を行い、「宇土マリーナ」を9時に出港した。2日続けてのベタ凪で「長崎サンセットマリーナ」迄の航程は25ノットのスピードを維持して大変にスムーズ、1130に到着した。
 
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宇土マリーナ」に隣接する道の駅で、たくさんのツバメを見かけ、それも小さな子供ツバメだったので、巣が近くにあると思い探した所、沢山の巣がトイレ建屋の中にたくさんあった。親鳥が何度も往復して餌を運んでいる。ツバメの巣作り、子育ては4月からと言われているのできっとそうなんであろう。わが艇にも朝、子ツバメがやって来た。
 
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この航程の途中には「軍艦島」があり、近寄ってみたいと思っていた。そのシルエットは正に軍艦そのもの。しばらく、見とれてしまった。
 
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「長崎サンセットマリーナ」は、昨年8月以来である。相変わらず居心地の良いマリーナ。昨年は関門海峡から反時計回りで長崎に入ったので、一応これで私の九州一周は完了した事になる。明後日以降からは九州を離れて「五島列島」を訪ねるクルーズになる。
 
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ここで、壊れている静水ポンプの交換修理をした。結果は、当初の見立て通り、静水ポンプ「アクアキング」の寿命であった。調べたところ、マリンウェーブ社の通販サイトで売っていた(約5万)。説明に「大型ボート用の清水用ギャレーポンプです。配管内の圧力が低下すると回転を始め、圧力65PSIになると自動停止します」とあり、蛇口を開いてなくても、配管内を常に加圧状態にしておく役を負っている訳だ。よって、寿命がかなり早くるのは仕方がない。納得すると同時に、1台予備保有も考えねばならないと思った。
 

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ここ「長崎サンセットマリーナ」到着をもってホームポート出港以来20日目を迎える事になり、2019年春クルーズ往航を無事終える事になった。今後はホームポートに向けての復航段階に入る。
 

2019年春クルーズ(九州)5月5日宇土

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今日は朝から海上はべた凪、勿論、艇はまったく揺れない。朝ごはんは、昨日道の駅で買ったカマスの塩焼きとレタスのサラダ。熊本市内観光を計画しているので、「網田駅」に向かった。ディーゼル列車が来る迄の時間を駅舎内のカフェで過ごした。雰囲気のある良きカフェの存在は想定外であった。

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このカフェは「網田(おおだ)駅」の中にある。駅舎の執務室を再生したものだと言う。現存する木造駅舎として熊本県内最古、九州管内でも2番目に古い建物だそうである。

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私は地方に有る単線区間の列車に乗るのが大好きだが、今回もナイスであった。JR九州のヒット作「A列車で行こう」をやり過ごす間、ホームで列車運転士と雑談した。彼は運転歴30年のベテラン、短い時間であったが、楽しい会話が出来た。

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熊本市内に出かけたが、その目的の1つが「熊本城」である。先般のM7の地震の影響は街中では全く感じなかったが、ひとだび「熊本城」に近づけば、その被害の大きさに驚いてしまった。だだ、すごいと思ったのはこの修復中の「熊本城」を否定的にとらえるのではなく、むしろ肯定的に捉えて集客コンテンツにしていく姿勢を素晴らしいと思った。

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熊本と言えば馬刺と言うことになる。美味い!

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2019年春クルーズ(九州)5月4日宇土

8時40分、「牛深港(うしぶか海の駅)」を出港、「宇土マリーナ」を目指す。この春クルーズは九州周遊だが、往路、復路に分けて考えるなら長崎が折り返し地になる。「牛深港」から目指せば長崎まで40マイル程だが、往復90マイルかけて「宇土マリーナ」経由で長崎を目指す航程を組んだのは熊本市観光と本場の馬刺しを楽しもうと思ったからだ。移動に当たってのハイライトは「本渡瀬戸」の通過になる。
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熊本市内へのアクセセスは「宇土マリーナ」からタクシーで「網田駅」に行き、そこから熊本駅に向かうことになる。約40分と聞いた。マリーナ自体は大変に素晴らしい。例によって、熊本国体のヨット競技会場として新設されたらしい。給電(200V)、給水、給油、風呂、シャワー、トイレいずれも文句のつけようがなく、同じ敷地に充実した道の駅まである。

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本渡瀬戸は天草下島と上島な挟まれた幅の狭い海峡である。通過してみればまるで運河の様な海峡であった。今回は南から入って北側の本渡港で出るコースとなったが、この出口こそが大いに危ない所だと思う。狭い運河から抜け出した本渡港は海面的には広く、それまで浚渫された僅かな水路をなぞる様に進んできた反動からか、まだ水路走行が必要な場所である事を忘れてしまいそうになるからである。ここで、座礁事故がかなり起こっている事を「宇土マリーナ」の掲示板で知ったが、十分に納得出来る。私も釣り船を避けるため舵を切ってしまい水路からはみ出してしまったのか、瞬間水深表示が0mを示し、ひやっとした。
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「本渡瀬戸」を出れば、有明海、水深が全体に浅く波もない、一気に加速して「宇土マリーナ」を目指し、1120に到着した。途中、あの「雲仙岳」が綺麗に見えた。
 
 

 

2019年春クルーズ(九州)5月3日牛深

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牛深港(うしぶか海の駅)」の桟橋は、この地で有名な「牛深海中公園グラスボート」の発着桟橋と同じ所にあり、船長に敬意を示して朝930の便に乗って見た。これが想定外に楽しかったので紹介しておく。先ずは写真をご覧あれ。

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午後は再度予約してあるレンタカーに乗って、「天草キリシタン館」に向かった。潜伏キリシタンをより良く、さらに理解したかったからである。所謂、島原・天草一揆に関して非常に良くまとまっており、決してこれが潜伏キリシタンによる宗教的決起ではなく、過大な年貢と飢饉で生死を脅かされた農民たちによる一揆に根ざしているものであることがわかった。

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その帰りに偶然、人の賑わいを発見し、訪れて撮ったのが下の写真。

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私はこの数年、1日2食主義になっている。だから、夕食作りに力が入る。行く先々の港に於いて魚屋を覗き、主人と話しをしながら朝どれした美味そうな魚で刺し盛りを頼んで、夕方に取りに行く。その後は船内で細やかな酒盛り宴会、結果としてこうしたスタイルなっている。間違いなく美味!「牛深港(うしぶか海の駅)浮桟橋」前にも良い魚屋があった。カワハギ、ヤズ(ブリの子供)で刺し盛り仕上げ、25百円也

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2019年春クルーズ(九州)5月2日牛深

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牛深港」を寄港地の1つに入れたのは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が2018年に日本22番目の世界遺産に認定されたことにある。去年の夏クルーズで長崎出島を訪ね、実際に認定された世界遺産に対峙し、合わせて関連資料を読んで「何故、日本人、とりわけ当時の農民がキリスト教に改宗したのか」が、腹落ちしないまま今日に至っている。平戸(生月島),長崎(大浦天主堂等)に加えて、天草にも出向くことにして「牛深港」を選んだのである。
 
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「係船手続き、給油(270L、累計2170L)を済ませたのち早速、潜伏キリシタンが発覚する「天草崩れ」の舞台となった崎津集落に向かった。この地では、なんと約7割の住民が潜伏キリシタンだったと、当時の取調べに当たった代官所の役人が調書に書いたそうだ。
 
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この教会は「津崎教会」は昭和9年に建てられたものだが、発意したハルブ神父の強い希望で、キリシタン弾圧の象徴である絵踏みが行われた場所(庄屋役宅跡)に祭壇を置いたとの事である。興味深かったのは、中が畳敷きだった事で、初めて目にした。(撮影は許されていない)当時の写真に紋付袴姿で教会ミサに参加している物があったが、とても不思議に感じた。まだまだ、一般農民がキリスト教に改宗した所以はクリアになっていないが、宣教師固有の能力、魅力も大きな要素であったと考える様になった。

 

2019年春クルーズ(九州)5月1日野間池

今日から「令和」の5月1日、昨日に続き雨、それも西の風7mの風を伴っている。「野間池」は西に向かって開いているので、ストレートに風が入ってくる。寒い。泊まっているこのホテル「笠沙 恵比寿」は街振興のために造られた市営の施設と聞いた。かなりオシャレな造りで、働く職員も役所的な匂いが無く、大変に親切、民間ごころも宿している。結果として、「山川港」に続きこの桟橋でも一緒になった「Tumbleweed」(バリアント42)も何故か「野間池」を知っていた。きっと日本をクルーズした事のある外国人セーラーの間でこの場所が共有されているのだろう

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17時ぐらいになって漸く日が差し込んできたので、自転車を借りて付近の散策に出てみた。良いビューなので改めて写真を撮ってみた。天気予報によれば明日の午前中は風がかなり落ちるようなので、予定通りに出港出来そうだ。また、3艇セーリングクルーザーがやって来た。聞けば3艇連れ立っての沖縄クルーズだとか。大賑わいの「野間池」桟橋である。

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