ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

ポーナム35の船底塗装について

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2020年春クルーズ(日本海)は、コロナウィルスの緊急事態宣言騒動によって、寄港予定の港、マリーナ、ホテル全てにおいてビジターの受入れが不可になり、中止せざるを得なくなった。

そこで、このすっぽりと空いた期間を利用して、艇の保管形態を海上係留に切り替えることを決め、そのために船底塗装のやり直しをすることになった。やはり、艇は海に浮んでいる方が何かと便利であるし、出港しないマリンライフという選択肢も得られる。これも実に楽しい。

私のポーナム35は2016年5月に進水したが、その時は佐島マリーナでの艇庫保管を前提にしていたので、船底が海上係留仕様の塗装となっていなかった。そのため、出航やクルーズ毎に船底洗いを自分で行っていた。1ヶ月のクルーズともなるとジェットを使えない(使うと剥離を促進してしまう)ので大体2日位の時間が必要となる。さらに最近は、経年劣化も手伝って部分剥離が所々(船底、発電機室、バウアンカー室)に発生し、特に船底は部分補修したエポキシ塗装の跡があばた状態で目立ち始め、これが陸置している時によく目立つのである。何やら恥ずかしい気になる。そんな事で船底全てとハル内部の剥離箇所の塗装やり直しを決めた。

 

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その船底塗装だが思いの外、時間と費用がかかった。塗装艇という問題もあったが、海水による電食の心配がつきまとうアルミ艇固有の入念な作業が加わったからである。

 

アルミハルのポーナム艇を有するオーナーも数多くいると思われるので、「雑感」としてブログにまとめ、皆さんの参考に供したい。

本来、ポーナムシリーズ艇は陸上保管が基本となっている。例外が35のタイプで、このタイプの艇ならば海上係留仕様塗装を前提に常時の海上係留保管が可能と、メーカー(トヨタ、マリン事業部)がサービスマニュアルの中で謳っている。その仕様の要点は「ハル塗装の重ね塗りと、防汚塗装」が必須という事になっていた。

ハル塗装とは、アルミハルに塗る塗装でエポキシ系塗料を使う。作業内容はそれまでの塗装の荒削りから始まる下地処理→プライマー塗装(2回)→ハル塗装(2回)→バインダー塗装(1回)というプロセス。それぞれに十分な乾燥が必要となるので、この間全て天気に恵まれたとしても乾燥時間合計で68時間、船台拘束時間ベース換算で最低でも10日間といったところ。このハル塗装までの段階で、旧ハル塗装の下地処理も入れて約35万位かかった。

次なる防汚塗装とはいわゆる船底塗装のことで、貝、海藻などの付着防止のための塗装で、銅イオンフリー(電食回避)のものをハル塗装の上に重ねて塗ることになる(アルミ地肌に直接塗装しない)。塗装(2回)、加えてラダー、スクリュー等にペラクリン塗装をして完了となる。ここまでで、乾燥時間合計で8時間、船台拘束時間ベースで最低でも5日間ぐらい。この防汚塗装で約30万位かかった。

こうしてハル塗装、防汚塗装合わせて時間の方は3週間ぐらいかかった。つまり5月の1ヶ月を費やした事になる。6月8日に晴れて桟橋係留の仲間入りが出来た。

 

自分のホームポートでやれたので、船台使用料、上下架料金は不要であったが、ビジター艇として何処かのマリーナでやれば約100万位になったであろう。仕上げは写真の通り丁寧にきっちりなされており、グッドジョブ!であった。来年からは、何も問題がなければ防汚塗装のみとなる。

 

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