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アルミ艇(PONAM-35)海上係留、1年経過報告

2020年4月から私の艇は海上係留となっている。ご存知のようにPONAM-35はアルミハルなので、とかく海水との相性から海上係留を懸念する声をよく聞く。マリーナによっては不測の電食穴あき→浸水→沈没を想起して通年の海上係留契約を断る事例もある。メーカー側もPONAM−35以外のアルミハル艇の常時海上係留を推奨していない。こうした前提の上で、私のPONAM−35 海上係留が一年経過した。その報告を読者の皆さんと共有することがこの記事の目的である。

見解①  『水温の高くなる 夏は、銅イオンフリー防汚塗装しても常時海上係留は避けたい!』

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 まず、上記の2点の写真をご覧いただきたい。2020年4月末に船底塗装を完璧実施した後、5ヶ月経過した際の上架時の写真である。走行性能の著しい劣化(回転数上がらず)に直面したのでその原因を調べるために上架した。原因は船艇全体についたフジツボ、とりわけペラについたフジツボが主たる要因であった。私の最初の印象は「船底塗装しっかりやったのに、こんなにフジツボがつくとは…」であった。

同時に「ペラに対しこの程度のフジツボ付着で回転数が上がらなくなるとは……」とも思った。後に分かった事だが、燃費向上の観点からPONAM-35では大容量エンジンでトルクバンドを広くして押しまくるスタイルを採用していないためだそうだ。つまり、最適燃費回転数域でトルクが出るようにセットされているため(例えばレーシングカーのようなセッティング)、低回転域ではトルクが非力になりがちと理解した。

話を海上係留に戻すとトヨタマリンのO氏曰く「PONAMー35、勿論、海上係留は可能だがオーナーさんにはお勧めしていない。アルミハルで使用する銅イオンフリーの船底塗料は効果がFRP艇用に比べ弱い、特に夏の海水温がこのところの温暖化で上がっているため効果の弱さが露呈してしまう。本当を言うと夏の間だけは上架して欲しい。できなければ毎週走って欲しい、時間がなければ桟橋にもやったまま後進微速でペラを回し、水流をペラと船底全体に当てて欲しい」であった。

 

見解②   『低水温時期(秋冬春)なら銅イオンフリー船底塗装でも充分有効!』

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上記の2点写真は、2020年9月の中間上架で船底を洗い、船底塗装(タッチペイント)を施し、ペラクリンを再塗装して再び海上係留に戻して7ヶ月が経過した2021年5月の船底状態を映したものである。

秋、冬、春の水温であれば、美観はともかく走行には影響がないレベルで船底が保たれていたことが見てもわかる。勿論、この間、ベタ置きではなく、最低月一回出港、さらに出港しなくてもマリーナに行った際には桟橋固定のまま後進でペラを回して水流を当てていた。

 

さて、船底塗装とは直接関係ない話しとなるが、海上係留では水面下が見えないため防汚確認の他に船底状態の定期的な確認が必要だと思った。

今回の上架で、想定外の事象が発生していたからである。それはバウスラスターに起こっていた。この数ヶ月、操船モニターにスラスター関連の警告(電圧降下、ジョイスティック異常)がしばしばでるようになっていた。「おかしいな、充電はしっかりされているのに」と考えながら、リセットして使用を続行していたが、動作音はいかにも苦しそう。最後はジョイスティックを使っての横移動ができなくなってしまった。

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上げて見ればなんのことは無い、バウスラスターに魚網が巻き、段々と首閉めの度合いがきつくなっていたのだった。一瞥した際には、マリーナ堤防の釣り人が捨てた仕掛け、ラインが絡まったと短絡したが、取り外してみれば写真通りの魚網の切れ端であった。バウスラスターは桟橋付近でしか使わないので、マリーナ内にゴミとして入ってきた網の切れ端を出港時に吸い込んだのであろう

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さあ、明日から船底のメンテナンス開始である。その間に清掃、タッチ塗装、ジンク交換、オイル交換などを行う予定である。

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綺麗になった!