ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2020年春クルーズ(日本海)中止

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準備を重ねてきた2020年春クルーズ(日本海)。計画では4月16日に出港して北前船航路を辿り、舞鶴港を最遠地に折り返す事になっていた。約1ヶ月の航海である。

関門海峡を越えて日本海を東進するのは初めてであり、この航程での寄港数は17の地に及ぶ。海運史書に出てくる北前船の立ち寄り港をほぼ全てカバーするつもりでいたので、グーグル地図を開いて係船可能な岸壁を確認し、次にネットで泊地情報を探した。

ヨットの人達が記録を残してくれていたが、皆さん燃料調達の優先度が低いので言及が少ない。その為、最寄のGSをこれまたグーグルで探し、個別に電話して配達の可否を確認した。

日本海の場合、民間マリーナ、海の駅を中心としてきた今までのスタイルは取れない。即ち、殆どが岸壁係船になる。そこで、西強風で岸壁に押しつけられた種子島西之表港)を思い出して、従来の大型エアーフェンダーに加え、より頼りになる大型涙滴フェンダも買入れた。エアー型は軽くて収納時の収まりも良いのて重宝するが、いざとなるとパンクし易く頼りないのである。但し、瀬戸内海の様に潮汐の影響は無いとの事なので、風次第ではあるが接岸自体は楽であろう。

このように準備してきた訳だが、4月に入っての緊急事態宣言以降、各マリーナの外来艇受入れ自粛姿勢が顕著となり、海の嵐では無く世間の嵐の方が怖くなってきた。そこで予約先に中止連絡をすると、皆さんホッとした声に変わり、すまなそうに「また宜しく、お願いします」(隠岐島)と言ってくれた。

「仁尾マリーナ」においても「ビジター艇の受入れは自粛してもらっている。マスク着用をお願いし、無ければ有料で提供する形にする」(ハーバーマスター)、「キャビン内での茶話会はやめて、デッキ上オープンエアーで行う様に自然に変わってきた」(NYOC)と明らかな変化が起こっている。

2020春クルーズ(日本海)の中止は時宜を得た良い判断となった次第である。

掲載写真は世界一周クルーズ中の 60fの大型クルーザー。1週間前に「仁尾マリーナ」に入ってきた。ハルは鉄、デッキはアルミ製の素晴らしい艇。オランダで建造、所謂プロダクション艇ではない。これを夫婦2人(ドイツ人)で操船してきたと言う。聞くところによると、オーナーは大学教授らしく、来年春まで艇をここに預けて一旦ドイツに帰ると言う。これだけ長い距離を走ってきたのに全く艇にやつれ感がない。全てにきちんとメンテナンスが行き届いている。戻って大学の授業、自身の研究などを続けるのかもしれない。しかしながら、優雅なものである。うらやましい事この上もない。