ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2021年春クルーズ(隠岐島・舞鶴)6月3日「鳥取港」

15日目:8時25分隠岐島「西郷港」を出港。さて、今回の「鳥取港」までの航程は「Windy」どおりであれば、いつもの快適な航海のはずだった。最も、強風注意報は出ていたが、それは15時から明日の午前中にかけてだったので、午前中に到着すれば安全と考えたのである。

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しかし、2時間走ってあと30分で「鳥取港」に着く頃に強風に捕まってしまった。、つまり「鳥取砂丘」がはっきり目視できる海域に入った途端、南10〜15mの風がにわかに吹き出し、「鳥取港」入港までの30分は海上白ウサギが飛ぶ中、向かい風の中での入港となってしまった。「鳥取港」は冬の北風強風に備えたつくりなので入るには一文字堤防の裏に回り込む必要があるが、その転舵エリアが「千代川」の河口なので今回は南風の通り道と化し、波も悪かった。(結局、午後になって「Windy」も写真のように予報を変えて、今日、明日にかけて「鳥取港」での緊急避難が現実となった)

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「Raymarine」のチャートだけでは読みきれないので、Googleマップも併用し目的の岸壁(鳥取海上保安署前)まではたどり着いたが、いざ着岸となると、10m超の風ではジョイスティック操船の推力が風の力に負けてしまい、船首が風で回頭し始めても元に戻せない。これでは接岸できないので、ジョイスティック操作を諦め、左右エンジンのリモコン操作のみで操船する事になった。ブロー15m、風は南からで岸壁に対し右斜め前からの寄せの風になるので、多少乱暴な着岸になるやも知れずと考え、岸壁側に4本エアーフェンダー全てを降ろして準備したが、風が強いのでエアーフェンダーはデッキのラインまで舞い上がってしまい、これではフェンダーの機能を十分果たせない。エアフェンダーにはこんな弱点があったとは…。そこでさらに大型の「涙滴フェンダー」も合わせてぶら下げたが、これは風にもびくともしない。こうして、艇体無傷で接岸することができた。「涙滴フェンダー」にまたもや助けられた。

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接岸が無事終えてホッとする余韻もなく、係留場所から見える「鳥取海上保安署」から早速職員がやってきて、「南からの強風なんで、緊急出動の際に前の巡視艇が後ろに下がって、貴艇にぶつかってしまう可能性がある。もっと下げてください」との事、そして「安全指導したいので、関連書類全部出してください」とも言い出した。「では、船を下げるのを手伝ってください」と厚かましくお願いし、強風の中職員2名と私で船をズルズルと引っ張って巡視艇と後ろのボートの真ん中という絶好の位置に修正した。

「実は船舶無線局免許が6月7日で切れるが…」と切り出したところ、待ってましたとばかりに「新しい免許がなければ、出航停止処分になります!更新された新免許があるなら、自宅まで取りに行っていただくか、当保安所気付けでも良いですから現物を郵送してください。ただし現物確認が出来るまで出港停止になります!」なかなか厳しい…。6月7日以降の「臨検」を考えると、保安庁職員とのやり取り、交渉が面倒と考え、3日前に「仁尾マリーナ」から連絡のあった「新基地局免許」の現物を手元に持っていた方が良いと判断した。

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タイミングを揃えたように、今度は同じ岸壁に並んで位置する「鳥取港事務所」(上記写真)から職員が出てきて「緊急避難ですか?」と聞いてきたので「はい、にわかに15mの強風に変わり、風が落ち海況が回復するまでここで避難したい」と回答したところ、続けて「何日ぐらいになりますか?」こればかりは風に聞かないとわからないので「2〜3日」と答えたところ、得心したのか「緊急避難なら使用を認めます。係船料を免除するので手続きに来てください」」との返事。こんな良い場所(水、トイレの利用も許可してくれた)で係船できるなんて誠にラッキー!と小躍りしてしまった。