ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2022年春クルーズ(奄美大島)-20日目「古仁屋港」

「名瀬港」を11時40分に出港。日付が変わるまで北西8mの風が吹き続き、朝を迎えて風は4mまで落ちてきた。当然、このタイミングでの出港なら波はそこそこ収まっているであろうという読みだった。しかし、「名瀬港」の波止堤防を出てみれば、沖からの波が狭い湾口付近で大暴れ状態。方向感と規則性のない波で、海面はグチャグチャ。波高1.5〜2mの向かい波に同様の三角波も加わり、時折スロットル制御が間に合わず、思いっきり叩かれることしばしばといった状況が続いた。

因みにこの海況だとオートパイロットを使わず、舵(左手)とスロットル(右手)の両手を使って操作しなければならない。波を避ける事に気を取られていると、スロットル制御が遅れるので、艇が波頭を飛び出してそのまま落下することになる。それを見越して始めから艇速を落として走ると、バウが下がり気味になり青波を喰らいやすくなる。「HAPPY」のバウにはテンダーを積んでいるので、青波は絶対に避けねばならない。よって波を越えるときは、その寸前まで推力を維持(場合によっては回転を上げる)、波頭を越える手前で推力を落として波を舐めるようにしなければならない。超えたら直ちに次の波にバウが刺さらないように回転を上げる、この繰り返しはかなり喉が乾く操作となる。

実際、波高2mは落差4mになるので、かなりの衝撃。最初の45分はこの状態と戦って、途中からはオートパイロットに切り替えてスロットル制御に専心できる波(規則性のある波)に変わり、気分も落ち着いてきた。

「古仁屋」に入るためには「曽津高灯台」を左に見て転舵するが、回り込みが進むにつれ、横波、追い波と変わり、いつもの快走が可能となってきた。こうして一気に「古仁屋せとうち海の駅」に到着した。

しかし、この海峡に入ってからは、海上がガラッと静穏化し、まるで瀬戸内海のようになったには驚いた。この地域も「瀬戸内町」と呼称されているのだが、その理由がよくわかる。「名瀬港」→「古仁屋」の航程はたった40マイルだったが、今回の所要時間は2時間であった。

海の駅桟橋への接近は干潮時と重なり水深を心配したが、反対岸(陸側、コーラル橋側)へ接近さえしなければ十分な深さが担保されていた。もちろん、直角に曲がって進入していた。満潮ならさほど気にする必要はないであろう。

係船時は干潮、岸壁は見上げる高さであったが、桟橋にはゴム製の梯子が複数設置されているので昇降に困難はなかった。海の駅事務所には上写真の建屋外階段を上がって行く。

利用料は無料(だだし事前予約は出来ない)、水利用料は3日間で500円であった。手続きを済ませた頃から雨が降り出したが、水とトイレのミニマム調査だけは終わらせたいと思い、その足で傘を差しながらチェックを開始した。

泊地としての「せとうち海の駅」は、キチッと整備されているため、桟橋までホースで水を引き込む事ができ、トイレも徒歩1分の至近にあった。ただし、この場所、水道通過の船の引き波だとは思うが、とても揺れる。それも静穏化復帰に割と長い時間がかかる気がする(生活できない程ではない)。おそらく、この切り込んだ形の桟橋設計が、波の抜け場所のないプールのようになってしまい、相互に波が干渉してなかなか落ち着かないミニ三角波を発生させるからであろう。あくまでも町での所用を足すための泊地、昼間に艇内に長くいるという泊地としては不向きだと思う。最もそれは水道通過船が多い昼間の時間帯だけで、夜はそれほどでもないであろうと見た。気になるなら反対岸からもロープを取ればだいぶ状況が変わると思う。

「古仁屋」の町自体は人口5千人足らずの小さな規模なので、買い物(Aコープ)、飲食へのアクセスに時間がかからない。もちろん店の数は「名瀬市」とは比較にならない。だから、探索は30分で終わった。

一眠りしてデッキに出てみれば、雨が止み西の空に青空が見え始めた。明日は晴れるかもしれない(もっとも天気予報は大雨)。晴れたら明日「HAPPY」の泊地として選んだ「阿鉄」、その手前の「油井」をレンタカーで訪ねてみる予定である。