昨晩の大三島宮浦港は風が止んだおかげで、揺れが全くない船中泊となった。快適に目覚めて、10時10分出港。海況は曇り、無風、波なし状態、これが宮島まで続いた。40マイル、2時間の航程であった。25ノット走行ではあったが、さすがに途中の「音戸の瀬戸」とその近辺では通過を目指す多種多様な船が集まっていたので、フェリーの後を追走する形をとった。
さて、2年ぶりの宮島訪問であったが、ビジター桟橋、大鳥居(3年間大規改修)、宿ホテル、これ以上リニューアル工事をするところはもうない!というほど整備されていた。この島にとってはコロナ期間を整備工事実施の期間として前向きに利用したのであろう。既存の宿は競ったように磨きがかかり、新設の宿も目についた。
尚、宮島入島税なるものが新たに課金されるとのニュースを見たが、その課金は今回なかった。フェリー料金に加算されると聞いたが、プレジャーボートは桟橋利用料に含まれているのかもしれない。
なぜか、この桟橋では35fが係船料の剣ヶ峰になっている。我が艇「PONAM-35」は、「未満」か「以上」か? 船検証の表記が10.14mということで35f未満と認定された。フイートとメートル並列併記にも納得がいった。それにしても対応の女性も粋な計らいをしてくれたものである。
いつも秋クルーズは10月に実施してきたが、今回は11月、宮島の紅葉のタイミングを考えると、後者の方が良いようである。島内は平日にもかかわらずかなり混んでいた。週末はごった返し状態になるであろう。それもこの島の魅力がなせる技である。
この時期は、本土と宮島を結ぶフェリーが大増便されているのではないか?と思うくらいひっきりなしに船が走り、これに他島からのフェリー、漁船等も加わり引き波が切れることが少ない。それが桟橋にひっきりなしに来襲するので係船状態でも十分船酔いしてしまう。よって船中泊はお勧めできない。もちろん、この桟橋には陸電(200v)、水道も来ている。島内で飲食して遅くに艇にもどるプランなら船中泊もいけるかもしれない。私は対岸の「広島観音マリーナ」で船中泊していた。
しかし、今年(2022年)は観音マリーナ桟橋の大規模修繕のためビジター利用ができない。よって今回は泊地として、夕方までに到着できる呉の「クレイトンホテル」(専用桟橋、くれ海の駅)を選んだ。15時10分に宮島桟橋を後にした。
1時間後、17マイル離れた呉港奥に位置する「クレイトンホテル」の専用桟橋に艇を着けた。ここは「くれ・海の駅」として一般にも解放されている。切り込んだプールのような場所に桟橋が設置しているため、自艇の引き波で桟橋も大揺れ、海面自体も静穏化しない。金魚鉢、水槽の中に浮かんでいる船のようで、揺れのレベルは三角波にさらされているようである。とても船中泊は無理と思われる。これほどの不規則な揺れは「長崎出島ヨットハーバー」、「女木島ビジター桟橋」以来のレベルであった。「クレイトンホテル」に宿をとれば、係船料(1万円!)はかからないので、こちらを選択する方が良い。今回は呉お土産クーポン(4千円相当)もついてきたので、宿泊代負担が大いに軽減された。
エレベータで部屋に上がっていく時、「当ホテルの11階の高さは戦艦大和の艦橋と同じ高さです」との説明書きがあった。この高さがそれである。この高さからの操船指示であれば、さぞかし豪快、無敵の不沈艦と錯覚するのも無理はないと思った。
その大和ミュージアムには、翌朝出かけ十分に見学することができた。