ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

▪️ジェネレーター(Onan12kw)不具合問題解決!


上記写真はキャビン内のAC配電板に設置されたジェネ起動のためのシーソースイッチである。

通常は「start」を押すと緑ランプがつき、同時に予熱が開始される。(その間に緑ランプの下の黄色ランプが点滅)予熱が満了するタイミングで、「ドン」とジェネが起動する。

この起動がうまくいかなかったトラブル(電磁リレー不具合)は部品交換で解消したのだが、その後に行った起動動作確認の繰り返し作業が新たなトラブルを引き起こしてしまった。

新たなトラブルは「ジェネ電源を使うマリンエアコンが、動作開始後3分で電圧異常(ACLOW)表示で自動停止してしまう」のである。

この原因はホームポートに戻るまで分からずじまいであったが、戻って直ちに陸電に切り替えてエアコンを動かしてみると、何の問題もなく通常運転が続く。これで、問題がジェネ自体にある事が関係者間ではっきりした。それまでは議論百出状態で問題の切り分けができなかった。

 

知らぬとは言え修理検収後の連続的動作確認が次のトラブルを招き入れたのである。

短期間の連続「start」ボタン押しがたまたま制御メニュー呼び出しと重なり、それがジェネ発電電圧の「電圧変更」モード指示に繋がったことが判明した。知らないうちにマリンエアコンの許容電圧(200〜240V)を超えてジェネ発電圧を260Vまで引き上げてしまったのである。

一回につき0.6Vの引き上げ、何回も押しているうちに260Vにまでなったわけだが、誰も「配電板のVメーターが260Vを示していたのに、高い分には良い!」と信じていたのである。ジェネ側にも「電圧異常」を示すコマンドとして「ACLOW」しか無いことも問題抽出に混乱をもたらしたと思う。

 

cruisingzanmai.hatenablog.com

今日のブログ記事は、「2023年初夏クルーズ(第1ステージ)」( 仁尾マリーナ→ハウステンボス)で発生したジェネレータ(Onan9kw,PONAM-35)起動時の不具合について、その原因が明らかになったので、これを皆さんと共有するためのものです。

「経緯」

①出港前の点検整備

ジェネのアワーメーターは約2,000時間(エンジンは約1,000時間)であったので、総点検を依頼、そしてエンジンオイル、オイルフィルター、インペラー、防食亜鉛の交換を行った。

②出港時

ジェネの底板の中に海水が溜まっていることを視認、どこから漏れているかについてはその時点でインペラーシーリングとホースバンドの緩みを疑い、整備担当者はそれらの増し締めで塩水水滴落下を止めたとした。

③ジェネ室に大量の塩水ビルジ発見(出港1週間後)

ジェネを切って就寝するを習慣としているが、数日後から深夜になると「自動ビルジポンプ」の動作音がよく聞こえる状態が続くようになった。もしやと思い、翌朝船底部のビルジ点検を開始、ジェネ室船底とジェネを覆う防音ケース底板に大量の塩水ビルジが溜まっていることを発見した。そこで先ずは積載の灯油ポンプでバケツに汲み取り、さらに吹き上げて完全ドライに戻した。回収したビルジは油分ゼロであったため海に流せた(約15L)。

④ジェネ起動出来ず

ジェネ室をドライに戻した後、キャビン内にある「起動シーソースイッチ」(予熱スイッチ)でジェネをかけるとしたが、今度は電圧不足でジェネエンジンが回らず。この時点で「起動シーソースイッチ」(写真参照)上の表示はオレンジ色の点滅(Shutdown -See Manual)となった。

そしてメインエンジンだけでもこの際、起動させておこうと思い、左右のエンジンをかけた。しばしエンジンを回してからジェネ起動に再チャレンジ、この時はいつもと変わらない黄色点滅→緑点灯の流れでスムーズな起動が始まった。

⑤以降、ジェネ室の毎朝吹き上げを前提にクルーズを続行していた。以下は原因の記載。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当初から海水水滴漏れ問題と、ジェネ起動専用バッテリーの電圧低下問題とを分けて別々の問題と考えていたが、実際には塩水漏れに端を発した一連のトラブルであった。

 

海水漏れの原因

ハウステンボス」整備スタッフからの修理報告は「ジェネ点検の際、インペラー交換を行っているが、蓋とハウジングの間に漏れ防止パッキンとして入れられる「Oリング」が所定の溝にはまっていなかった」、「その状態でネジ締めされた結果、「Oリング」機能がフルに発揮されず塩水水滴漏れを状態的に発生させていた。

 

電圧低下の原因

ジェネのインペラーのOリングシーリングが不完全のため、吸い上げた海水のもれが発生し、それがジェネ室にビルジとして溜まっていった。そのため、「オートビルジポンプ」が昼夜を分たず作動するようになっていった。また、疑われたオルタネータの能力低下はなかったが、念のため陸にあげて充電しておくことになった。

「昼間」はジェネが動いているため、ジェネ起動用バッテリーに充電がなされる中でのポンプ作動だが、「夜間」はジェネを切っているため、充電はなされていない。朝を迎えた「オートビルジポンプ」の電源バッテリーに一瞬電圧降下が起こったとしても不思議はない。

マリーナのような港内が静穏な泊地なら作動頻度は少なかったであろうが、漁港が中心の今回クルーズでは深夜早朝に漁船の出入りが多く、結果ビルジの水面もゆれ「オートビルジポンプ」が頻繁に作動することになる。(私はその音を聞いたことになる)

 

教訓 充電状態にないバッテリーの消耗は意外と激しい。ビルジポンプはビルジの存在を知らしめるものと割り切り、クルーズ中は毎日ビルジの点検を課すことにする。また テスターの搭載は原因追及の切り分けを早期化するのに必須!

 

私のブログをたまたま読んでくれた「通りすがりさん」のコメント通りとなりました。その上、スタータリレー(マグネットスイッチ)の不具合も指摘いただき、これにも問題があったことがわかりました!マグネットスイッチは消耗品、入り切りの頻度が激しいほど接点に問題(溶ける、すり減る)が起こることもわかりました。ありがとうございました。