ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2021年春クルーズ(隠岐島・舞鶴)5月27日「大社漁港」&「鷺浦漁港」

8日目:深夜からの雨がまだ降り続いている。フロントガラスにあたる雨音で6時に目が覚めた。早速、天気予報と「Windy」のチェックをすると、島根県日本海側に強風注意報、雨は午後には止み、風は現在の東3mから午後に入って南西7m(実際には10m超)になると予報されていた。昨日の予報と変わっていない。

今日の目的地である「鷺浦漁港」は陸の孤島の様なところであり、配達給油は難しいだろうと思われるため、途中「大社港」に寄港して燃料を入れなければ、次の「境港公共マリーナ」まで心許ない。本来なら「大社港」に泊り、出雲大社に参拝し、安全な出雲の夜を楽しむことだが、南西の強風予報下では港内も荒れると思って方針を変更した。まずは「大社港」を目指した。

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この「大社港」にはエネオスのGS(出雲二見)があり、事前に予約をしていたのでスムーズに誘導を受け入って右に回り込む「大社漁港」に艇を着け、配達を待った。

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その間泊地としての研究をしていたが、水深が2m、岸壁の高さが1mしかなく、いくら囲まれて安全とされてもうねりで海面が持ち上がればフェンダーが効かなくなって船底が岸壁に半ば乗り上げてしまいかねない恐れを感じた。南西の強風で海が荒れるならば、横付けではなく槍ずけが相当である。寄って今回は泊地とはせず寄港地とした。1時間後、250L(累積1,600L)を入れて満タンに戻し、「鷺浦漁港」を目指した。この漁港はヨット乗りの皆さんの人気サイト「DONの泊地情報」で運営者の西郷氏が推薦する寄港地の一つである。私も寄港して、氏の考えに同感した。

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 さて、「大社漁港」からの進路だが、「日御碕」をかわすとすぐに「鷺浦漁港」の入口を示す白い灯標が崖中腹に見え、港奥まで見通すコースで直線的に入港した。着けられる場所は入り口防波堤の先端部しかないので、そこに仮着けして地元の漁師に会えるのを待った。了承を得て本格的にもやったが、後に南西の風が強まり外海のうねりが入り始めると、「そこだと揺れるからもっと後ろにつけて良いよ」の声が再びかかり、さらに「明日は吹くから、長く置いてもいいよ」とまで言われた。この頃の特に地方の漁師の皆さん、本当に優しくなった。その漁師達によれば、ヨットはよく来るが大型のボートは珍しいとのこと。どおりで、先の「大社漁港」でもおじさんが寄ってきて「珍しい形の船やのぉ。おぉきいのぉ」とまじまじと眺めていたし、「鷺浦漁港」でも大変に言葉遣いが丁寧な少年がやってきて「こんにちは!もしよかったら船を見させてもらっていいですか?」と「うわぁ、うわぁ」と言いながら、船を見学して行った。「坊やは大きくなったら何になりたい?」と聞けば「漁師になりたい、でも親が反対なんだ」と首を垂れて話す姿にキュンとなってしまった。f:id:bentenebis:20210527140304j:plain

「鷺浦漁港」の開口部には柏島という島が入口を塞ぐ様にある。この存在が冬の季節風、波の直接的な侵入を防いでいる。冬の日本海の凄さはよく耳にするが、海に面する家は間立(マダチ)と言われる衝立てを立てて風、飛んでくる小石、砂を防いでる。冬はそれぐらいの凄さである。だからこそ、柏島は身を削ってこの漁港を守ってくれている、すなわち神格を持った島として崇敬され、今でも女人禁制だそうだ。

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f:id:bentenebis:20210527141144j:plain生活資材の調達は全くできない集落ではあるが、こんなに立派な24時間対応のトイレがある。完成してまもないと思われ 、大変に綺麗である。水は「JFしまね鷺浦荷捌所」で頼めば分けてもらえる。このトイレの前は、コミュニティバス(一日3往復)の停留所になっていて、14時37分のバスに乗って出雲大社に参ってきた。約30分でバスは「鷺浦漁港」の後ろの一山を越え、出雲大社参殿のすぐ横につく。

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今や、デフォルトとなった「出雲大社」のこの写真、私も一枚。ここもコロナ禍で人の姿はまばら、観光産業に与えている影響を各地で見続けている。

今夜は、南西10mの風が吹くようで、今もしっかりと風が吹いているが、艇を後奥に下げたことも揺れはかなり抑えられている。明日は10時ぐらいから風が落ちる予報なのでゆっくりの出港になる。