ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2022年春クルーズ(奄美大島)-35日目「上関室津」

波浪注意報も昨晩中に解除されたようで、「別府北浜ヨットハーバー」港内は再び静穏に戻っていた。天気予報は梅雨の晴れ間、雨も止んで快晴に向かうとなっていた。Windyの風予報も東4m、快適な航海を期待して10時にマリーナを出港し12時には「上関海峡」をまたぐ「上関大橋」をくぐって、「上関室津港」のビジター用浮き桟橋に着いた。

50マイル、波高も50cm程度、波あたりも良く、全航程にわたって25マイルの艇速を維持できたが、海面からの波当たりはいよいよ、慣れ親しんでいる瀬戸内海のものとなっている。

前回「上関室津」に寄港したのが2021年6月、日本海クルーズの帰りであったが、その時よりビジター用の浮き桟橋が長くなったようである。どうやらこれが完成形らしく、手続きに出向いたところ、県によるトンベースの利用料課金も始まっていた(1日35円)。立派な浮き桟橋ができたものだ。

この「上関室津」の周辺情報は何度もブログ上で紹介しているので、今回は省略することにするが、この港はここ数年でめざましく改良されている。その効果もあってか、ヨット、ボートを問わず瀬戸内海クルーズの人気寄港先の一つになろうとしている。魅力度が向上したポイントは、従来からの自然環境、港の静穏性ばかりではない。やはりネックであった「上関室津港」の干満差を克服する浮き桟橋の新設によるところが大きいと思う。

他にも目の前の「道の駅」(トイレ、水アクセス容易)とセットで開発されていること、歩いて5分の所に瀬戸内海屈指の温泉施設「鳩子の湯」があること、ボートにとっては港内から見えるGS(清水石油)が直ぐにきてくれるという安心感も付け加えたい。

こうした要素が全て至近距離にあり、かつこれだけ揃っている寄港先は全国レベルでも少ないと思う。私自身はこの地の「鳩子の湯」が瀬戸内海で一番好きなのだが、それは温泉に浸かりながら「上関海峡」を通る内航船を眼前いっぱいにして見ることができるからである。

(干潮時)

(満潮時、干満差は2m位)

「上関室津港」の水深はどの場所でも十分にあるが、この浮き桟橋がなかった頃の係留方法は、岸壁の階段そばに着られればラッキー、そうでない場合は持参のハシゴをデッキから岸壁にかけて乗り降りするしかなかった。その思い出を語るヨットマンは多い。

昨年の日本海クルーズでは、瀬戸内海に戻った瞬間から猛烈な「里心(さとごころ)」が起こって急いで帰ってしまったが、今回は、間も無く終わろうとしている「2022年春クルーズ(奄美大島)」が愛おしくて仕方がない。なぜなんだろう、それが分からない、分かりたくない。そんな気分でこの景色を見ていた。