ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

▪️PONAM-35、6年間でどんな整備が必要になったか? ②機関、油圧他

 

 

7年目に入った「HAPPY」だが、「PONAM-35]の製品品質は非常に高く、この間に想定外の大きな故障、修理はなかった。それでも年間の平均の整備費、部品、消耗品費は合計で100万円程度はかかっていた。

しかし、これからの3年間はそうはいかないであろうと考えている。全ての箇所で経年劣化が顕在化する可能性が大きくなるからである。壊れたら、あるいは調子が悪くなってから交換修理すれば良いとするのも良いが、それはホームポートから近いエリアをゲレンデにしている場合である。遠隔地にゲレンデを求めるなら、その先で修理が発生すれば部品の取り寄せだけで数日かかってしまう。

例えば、一昨年の日本海「浜田港」(島根県)での油圧ホースの亀裂による油圧システム故障がおこった。この時は電話によるトヨタサービススタッフの遠隔指導(ヤンマーエンジンしか触った事がない整備屋さん)のもとでの応急修理(専用の油圧ホースに交換してオイル交換、エア抜きは帰港後)。昨年の「ハウステンボスマリーナ」(長崎県)ではシャワー、洗面の排水サンプポンプが壊れたが、この時は東京からの宅急便による部品取り寄せに3日もかかった。整備のレベルが高かったので、部品到着後の修理自体はスムーズ、その点は助かったが約1週間の足止めとなった。

このようにアウェイでの修理を経験すると、修理はできるだけホームポートで済ませたいと本当に思う。よって整備担当者から示唆があった時、あるいは自分で怪しいと思ったら、メーカーの指定交換時間を超えていたら、迷わずに交換することにしている。特に、エンジン、油圧関連のものであれば、前倒し交換をしている。

 

上記写真は昨年(2022年)「悪石島」で撮ったものだが、奥の岸壁に係留しているヨットは南西諸島クルーズ中にエンジンが動かなくなりこの島に避難したが、該当する交換部品を本土から取り寄せ、修理を終えるのに1ヶ月を要したという。そのために食料も取り寄せる(この島には売店はない)事にまでなったと、奥様ともども笑って答えてくれた。

推進力が2つあるヨットでさえこの状態、1つしかないボートであればアウェーでのエンジン故障の発生は本当に避けたいものである。クルージング中は、朝エンジンがかかるだけで「あぁ、エンジンがかかってよかった!」と神に感謝する。

今回の出航前点検、最大の懸念点はFBにあるジョイスティックで不定期に発生する動作不良であった。洋上を走って、初めて訪れる港に入る時、あるいは出る時、いきなり、警告表示が画面に出て、その後は使えない状態になるのである。整備担当は「問題発生に規則性がなく、ユニット自体を丸ごと新品に変えるしかない」と言うが、このユニットの価格が実に高い。工賃をいれて私の艇のアキレステンダーが余裕でもう一つ買えるくらいの値段となってしまう。

そこで、整備担当者と話し合い、まずアフトデッキにあるジョイスティックとFBのそれを入れ替えて、原因がFBユニットそのものにあるのかを確認してみた。これが正常に作動し始めたのである。どうやらFBジョイスティック自体の接触不良だったようだ。交換によりアフトに移したジョイスティックもその後正常化した。全て良しとなった。

他には油圧ホース交換、トランサムのオートフラップ制御シリンダー交換、マリントイレの海水汲み上げポンプ交換、ラダーシャフト(外して清掃)、冷凍冷蔵庫引き出しレール修理、毎年のものとしてはエンジン、発電機の亜鉛棒、全てのインペラの交換、全てのオイルを交換するなどしている。今振り返っても整備についてはやれることは全部やってきた思いがある。

今回やり残しているのは前回交換から400時間経過のミキシングエルボー(メーカーは500時間毎の交換推薦)交換だが、これは調達が間に合わなかった。帰り次第交換するが、その部品だけでも前回交換時点で軽く100万円(左右エンジン合計)を超えていた。なんの変哲もない金属の塊のような部品なのだが…。今回はいくらになるのであろう。ここ数年の各種部品の値上がりには著しいものがある。

以上、艇内外のおおよその出航前点検が整備担当者の手によって前日完了、翌日その足で一泊2日の検収テストクルーズに出かけ、新たな問題も発生せず帰港後もそのまま海上に係留してある。これから、暫時食料、荷物、テンダーの積み込みを開始する。

因みに、2022年の5月23日は「屋久島」(宮之浦港)にいたので、2023年は約10日間、出航が遅れている。台風も2号の発生を考えると、まぁ、これも良いのかと思っている。しかし随分と今年は台風の発生が早い気がする。

準備万端「HAPPY」号!