ボートで行くクルージング三昧

ホームポートを瀬戸内海(仁尾マリーナ)に移してクルージングを楽しんでます

2019年冬 オフシーズン静寂の「ベラビスタスパ&マリーナ尾道」を訪ねる

冬の定義は12月から2月までだそうである。となると今回の境が浜(ベラビスタスパ&尾道)への1泊2日のショートクルーズは今年2回目の冬クルーズとなる。1回目の「三原」の時は1月で、広島県西条市の造り酒屋を巡って新酒を求め、尾道で温泉に入る!をテーマにしたクルーズであった。途中雪に降られる事もあり極寒とはなったが、テーマが良かったせいか、オツな旅となった。

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今回は瀬戸内海で皆が1番に評価する高級ホテル「ベラビスタスパ&マリーナ尾道」に泊まる!をテーマにした冬クルーズだ。オフシーズンならではの静寂を期待したが、狙いは大いに当たり大変に贅沢な時間を過ごせた。

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行きの境が浜はFBで冷房を入れる程、ポカポカ日和となった。勿論、途中の海況は波無し、風無し状態であった。お馴染みの阿伏兎ノ瀬戸を阿伏兎観音を見ながら通過。今日は「ガンツー」がいるかなと思いながら、内海大橋をくぐって境が浜ベラビスタマリーナにアプローチ、想定通りに「ガンツー」がマリーナ横の専用桟橋にいた。

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下の写真がそうであるが、海に浮かぶ四角い構造物が「ガンツー」である。いつ見ても「ガンツー」のシルエットは船らしく無い、私には巨大な台船の様に写る。因みに山の上に見えるのが、今回泊まった「ベラビスタスパ&マリーナ尾道」である。マリーナはその左奥に有る。

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入港するにあたっては円形の水上飛行機格納庫の有る岸壁の先を回り込む様にコース(赤航跡)を取るのが良い。余り大きく回ると画面に表記されている浅瀬に近づいてしまう。

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マリーナからホテルに行くには、歩いて登りたくはない急坂を、それもかなり長い、上がって行かねばならない。従いこれまでホテルに行った事も無かった。一方、ビジター桟橋は海面静穏、かつ200V陸電も取れるので船中泊に向いているのである。今回は、ホテルゲストとしての寄港なので、マリーナ到着時に合わせて迎えの車が来てくれている。下の部屋からの写真を見れば、どれだけ坂を登って行くのか容易に想像がつくと思う。

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仁尾マリーナを出港したのが1040、海況に恵まれ1200には余裕でベラビスタマリーナに到着、係船後はそのまま鞆の浦観光に出掛けた。鞆の浦では渡船乗り場から反対側の仙酔島に渡ったが、行っても島に何かがあるわけで無く、やはり本土側の「福禅寺對潮楼」から仙酔島弁天島を眺める方が圧倒的に良いと思ったが如何であろう。

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面白かったのは常夜灯横にある「いろは丸展示館」。坂本龍馬を始め海援隊の面々を乗せた「いろは丸」(160トン)が紀州藩の御用船「明光丸」(887トン)と衝突し、その後鞆の浦に「いろは丸」を曳航したが途中沈没、そして、龍馬が交渉役となり、紀州藩から賠償金(7万両、現在価値なら70億円相当)を獲得するまでの経緯などが丁寧に説明されていた。

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せっかくなので、ホテルの写真を1点上げておく。施設、接客、料理全てに於いて満足出来た。何より良かったのは多島海に沈む夕日を見ながらの一人露天風呂、露天風呂にはスマフォを持ち込むわけにも行かないので掲載の写真は同じ向きを向くロビー前ショット。全体として価格に見合うラグジュアリーな時間が過ごせた。冬のオフシーズンが静寂で良いとは、スタッフのアドバイス

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2019年秋 紅葉の「宮島(瀬戸内海)」を訪ねる

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船でしか行った事が無い安芸の「宮島(瀬戸内海)」だが、今回は陸路で向かう事になった。紅葉のシーズンに島うちに宿を取るのは無論難しいが、これに桟橋の確保が加わるとかなりの幸運が必要になる。週末、連休近辺は無理と言って良い。2018年は11月10日に訪れたが紅葉ピークには少々早かった様で、2019年は11月21日とした。狙いは当たり、島内の至る所で美しい紅葉を愛でることが出来た。ひんやりとした風の中を歩き回ったが、定番のもみじ谷は大いに人でごった返していた。しかし少し離れた大聖院の方は人の訪れが殆ど無く、奉納したローソクの燃える音まで聞こえるほど静かであった。

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瀬戸内海の有名観光地はどこもリニューアル工事、新設工事が盛んな様である。厳島神社海上赤鳥居も例外ではなかった。どう仕上がるのかが楽しみである。

 

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今回は陸路だったので宮島口駅からフェリーに乗り換えたが、到着桟橋で思わぬ発見をした。宮島訪問となれば、「広島観音マリーナ」のビジターズバースを基点とするのが定番だが、「宮島ビジター桟橋」の予約が叶わない場合、陸路(バス、JR)を選択しなければならない。接続が悪ければ1.5時間ぐらいかかってしまう。秋は日暮れが早く、ゆっくり出かけるとマリーナに戻る頃には暗い時間になる。よって「宮島ビジター桟橋」の予約が望ましい訳だが、今回発見したフェリーを上手く使えば、観音マリーナから直接宮島に行けるのである。乗船時間で30分ぐらいの様である。

 

2019年秋 瀬戸芸で「本島(瀬戸内海)」に行く

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四国/瀬戸内海地域では「瀬戸内国際芸術祭」と称される3年に1度のイベントがある。今年は9月28日〜11月4日にかけて開催され、そのギリギリである11月3日に「本島」を訪ねた。同島には係船場所が無いと思っていたが、マリーナ僚艇のT艇長から「北側の笠島漁港に簡易だが浮き桟橋ありますよ、そしてアプローチは初めのうちは瀬戸大橋側からのが安全」と教えてもらい、早速グーグルで航空写真チェックしたら確かに着けられそうな桟橋を発見。教えてもらった管理人(0877−27−3655)に電話を入れ予約完了。

当日はアドバイス通り初めてなので距離ではなく、安全優先して東からのアプローチとした。「仁尾マリーナ」からは1時間、途中T氏の艇と行き合う。コンテストの船型シルエットには毎度のことながら惚れ惚れする。プロダクション艇と違い、タイムレスビューティーだからか…。

尚、実際に行ってみて、笠島漁港入港にあたっては入り口堤防を赤灯標を回り込む形で桟橋に向かう方が良く、西からのアプローチでも緑灯標端からの入港は避け、更に目の前の「向島」/「本島」の間、「長島」/「向島」の間は通過は勿論、接近もしない方が安全と判断した。

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2019年夏クルーズ(四国)仁尾「仁尾マリーナ」

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9時20分「小豆島リゾートホテル専用桟橋」を出港、ホームポートである「仁尾マリーナ」への最終レグに就いた。若干の追い波、追い風で視程も良く快調な走りとなった。11時30分の到着、燃料450Lを給油、この2019年夏クルーズ(四国一周)に使用した燃料合計は1,950Lとなった。

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「仁尾マリーナ」は元々は香川県で開催された国体のヨット大会からスタートしているため、ハードの素晴らしさに対し、ソフト面での熟成が進まず、もったいない感がつきまとう。この点については、第3セクターだから、あるいは運営受託だからという理由でかつては納得させられていた感があった。

しかし、毎年クルーズに出かけ、多くの同様な事情のマリーナに寄港して見ると、少しづつだが変わって来ている気がする。背景には地方再生とインバウンド効果があるようだ。

「仁尾マリーナ」でもこうした流れを受けて200Vの電源工事を開始しようとしている確かに瀬戸内海全体を見回してもこれだけ広い海面を有し、大型艇の受け入れに実績のあるマリーナであるのに、200V電源を取る事ができる場所は上記の場所1ヶ所しか無いという状態は変であった。

夏になればサンセットの海を楽しみながら船で過ごす艇オーナーも増えるのに、各艇係留桟橋で他艇を気遣いながら発電機回している様子は静寂とは程遠い。3年前に200Vについて照会した時「自治体の施設ですからね」という話で終わってしまったが、確実にこのマリーナにも新たな動きが起こっている様だ。

もう一つ、バス停へのアクセスも改善して欲しい。「仁尾マリーナ口」というバス停は有るが、マリーナのエントランスから徒歩で10〜15分歩かねばならない。バス停を「仁尾マリーナ入口」と名乗れる所まで移動させてほしい。「オーナーさんは、みなさん車でくるので…」これではビジターに不親切。海の駅を名乗る、即ちビジター歓迎のマリーナで最寄りのバス停まで15分歩かせるのは、私の知る限り「仁尾マリーナ」だけである。ほとんどのマリーナはマリーナすぐ前にバス停がある。

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これから先、外来艇も含めビジター艇の来訪が増えて活気溢れるマリーナになって欲しいと思うが、今のところ新参者の独り言にされてしまいそうである。今の段階では台風避難時以外、私は「仁尾マリーナ」への来港を自信を持って勧めてはいない。

f:id:bentenebis:20190914210609j:plain「仁尾マリーナ」に戻った当日は、艇を200Vが使えるビジター桟橋に繋いだまま、先ずは船内に積み込んだ荷物の運び出し、この春、夏クルーズにおいて一度も使わなかった搭載品の運び出し、そして清掃を行った。たまにこうした「断捨離」を実行しないと不要な搭載品が増えて仕方がない。

翌日は上架して艇体丸ごとの清掃と汚れ落とし(今回漁港停泊が多かったので、岸壁防眩ゴムによるフェンダー、ハルの擦れ汚れが目立った)に時間をかけた。船底掃除をすれば、ラダーに漁網が巻きついた跡がわかる。

2019年夏クルーズ(四国)小豆島「ベイリゾートホテル専用桟橋」

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朝6時起床したが、「日和佐港」に於ける泊地(県民局が管理している岸壁、日和佐幼稚園前)は全く静寂で、実にゆっくりと休めた。鏡のような水面で、浮かんでいる事を忘れるほどであった。瀬戸内海と違い、干満差はおおよそ1m、それでも心配なので夜中にもやいチェックをしている。

昨日訪ねた地元の居酒屋「つくし」の鳥料理(全て阿波鳥)はいずれも柔らかくジューシィー、若主人とは「何故、日和佐を捨て美波に町の名前を変えたのか、変えるべきでは無かったのでは…」で、ひとしきり盛り上がった。

海からの訪問という意味で「日和佐港」には豊富なポテンシャル(日和佐駅迄徒歩で5分、温泉もある。)があると思うのだが、観光資源として全く活かそうとしていない。恐らく、外来艇を呼び込む開発には何らかの制限があるのかも知れない。岸壁にはぺんぺん草が生え、広い漁港にはトイレもない。(日和佐駅で利用可能)

実は、私のホームポート「仁尾マリーナ」が有る香川県三豊市と日和佐市(現美波市)は姉妹都市の関係にあり、親近感を覚えるのだが…。

 

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「日和佐港」を8時50分に出港、反対側岸壁に付けていた巡視艇と同時出港の形となった。高知港でも保安庁の船と同時出港となったが、9時という時間が彼らにとっても勤務時間の始まりなんであろう。どうやら同じ針路、25ノットで距離保って追走。お陰で「蒲生田岬」と「伊島」の間(岩場、暗礁)を不安無く通過する事が出来た。11時30分に小豆島「草壁港」に到着、その奥に位置する「小豆島リゾートホテル専用桟橋」に艇を付けた。この2時間40分の間、波風ほとんど無しの快適航行が続いた。

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この桟橋はリゾートホテルから「二十四の瞳映画村」を結ぶ渡船桟橋であるが、ホテルゲストに限り開放している。水道が来ているので給水が出来る。係船料はホテルに宿泊すれば無料。2019年夏クルーズ(四国一周)を開始して今日で10日目になるが、初めての船外泊、最後の夜なんでホテルに泊まってゆっくりしよう。

さて、この桟橋の水深は干潮時、この場所で3m確保出来ている。ホテル最上階には展望風呂、露天も有り、泉質も良く、更に湯温が少しぬるめなのでリラックス出来る。写真では頼りなく見える木製の古い浮桟橋ではあるが、瀬戸内海ではこんなもので大丈夫である。給油もフロントに頼めば手配してくれる。

私はボートで小豆島を訪ねるにあたって、他の泊地を知らない。海の駅(小豆島ふるさと村)があるので見に行ったが小型艇が対象、池田港には立派な桟橋(八木マリン)があるが周りに何もない。

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自分の艇をロビー、部屋、そして最上階の風呂に浸かりながら見下ろしながら今回のクルーズを振り返る、悪くない1人時間でもあった。明日はいよいよ、我がホームポート「仁尾マリーナ」に向けての最終レグとなる。

 

2019年夏クルーズ(四国)9月10日牟岐大島・日和佐「日和佐港」

朝からすっかりべた凪。ヨットだったらさぞかし大変だろうと思いながら、8時40分に牟岐大島に向けて出港した。事前取材で静寂な入り江空間がある事を知り、その地でのワンナイトを想像しながら40分、目指す入り江に入った。

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グーグルマップも含めて事前の情報収取で浮き桟橋が確認出来ており、あわよくば…と目論んでいたが、桟橋は撤去されていた。上記写真はその入り口からのショット。干潮時ではあったが水深は20m確保出来ており、アプローチに於ける不安感は無いので微速にて最奥地まで進入した。

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最奥地には小さな砂浜が有り、テンダーが有ればミニ上陸も楽しめそうだ。そんな脳内トークをする中 、入り江の入り口を振り返ると沢山(6隻ほど)の漁船がこちら目指して押し寄せてくるのが見えた。何か咎められる事をしてしまったのかと、疑心暗鬼になったが、見れば黄色のライフジャケットを着けた小学生達が各船に満載状態。皆がこちらに手を振ってくる。こちらも天皇陛下ばりにFBのウインドを開けて、小さく手を振りインペリアルスマイルで応える事にした。そうか、小学生の夏の課外事業がこの入り江で行われるのだ、なんと贅沢な授業なんだろう。しかし、静寂期待は見事に裏切られ、この狭い入り江に6隻の漁船と40人近くの黄色い声、これを想像すれば出るしかない。「日和佐港」に向かう事にした。

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1030分、「日和佐港」に入り、海上保安庁巡視艇桟橋の後方に着けた。早速ここを管理する県土木事務所に連絡し接岸の報告と手続き(1泊400円)を済ませると今度は、戻ってきた巡視艇職員による臨時検査(免許、船検、無線局、レーダー免許)を受けた。何時もながら彼らは丁寧な仕事をする。併せて水口油店(出光GS)で250L(累積1500L)配達してもらった。トイレについて尋ねると、9時〜5時であればすぐそこにある図書館、県土木事務所、それ以外の時間であれば日和佐駅(徒歩3分)のトイレを利用する事が出来るとの事だった。

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日和佐にある23番札所の薬王寺。この側に日帰り温泉があると思い訪ねたが 、営業しておらず残念。再び大汗、艇に戻り本日2度目のシャワー。清水タンク3分の2。徒歩3分の所に水口燃料店(出光GS)が、あるので貰い水は可能なので安心。今晩は良さ気な居酒屋(つくし)を近くに発見したので出かける予定。

 

2019年夏クルーズ(四国)9月9日甲浦「甲浦漁港」

奈半利港」のほぼ目の前にGS(コスモ石油)が有るが、日曜日は休みとの看板が出ていたので、月曜日8時の開業を待って早速配達依頼した。200L(累積1,450L)を入れて、8時50分に出港した。次の寄港地で何が起こるかわからないので、私は常に満タンで出港する様にしている。

「甲浦漁港」までは、僅かに残ったうねりを感じながら1時間40分で着いた。一気に牟岐大島まで行こうかとも思ったが、炎天下のFB操船は冷房が効いているが、3時間を超えると熱中症っぽくなる為、計画通り「甲浦漁港」に入った。

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下写真の我が艇の奥がいわゆる船溜りだが、そこは決まった漁船で占有されており、着けることはできないと思った。そこで明らかに利用されていない古く少し壊れた岸壁に仮止めした。漁港に着ける際は、常に菓子折り持って漁協に挨拶に伺うが、仮止めしたその場所で良いとのこと。応対も親切であった。漁港であるから引き波は仕方がないが、特にこの場所は渡船やダイビングの船の発着場所の隣でもあるので、日中も引き波で揺れる。それ以外は至って静かな穴場的漁港として私には思われた。

サーフィンで有名な「宍喰」の南隣りの入江に位置するが、最寄りの「甲浦駅」までで徒歩で20分かかる。燃料の調達は出来ない(配達してくれない)と聞かされ、ここでは出港時満タン原則が生きた。水は目の前のテトラポッド製造現場事務所で貰い水が出来たので、清水残高気にせずシャワー浴びれる。よく掃除されているトイレが2箇所有った。

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下の写真は「甲浦漁港」入口を艇内から撮った写真であるが、外は猛烈な暑さなので16時までは船内で過ごし、夕方になってから近隣探索に出るつもりである。

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昼寝をたっぷりとして、16時から船外活動を開始した。今晩の刺身を手に入れたいが徒歩15分以内にそれが叶う店はないので漁協に再び行った所、「これからセリが始まるから、終わったら仲買人に交渉して分けてもらうと良い」と挨拶に行った際の職員がアドバイスしてくれた。面白いのでセリをじっと見ていた。

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立っている人が仲買人の様で、皆足元に並んだセリ対象(この回はキンメ)に値段をつけて、下足板みたいなものにチョークで金額を書き伏せて白い台(赤Tシャツの前)に置き、揃った所で赤Tシャツの人のみが覗き、落札者を決める。小ぶりなものは、大きなプラスチック水槽単位で一個一個見ずに「目方でドン」的に競っていた。

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私は仲買人に頼んでこれを分けて貰った。「ビン」と言っていたのできっと「ビンチョウマグロ」だと思う。早速、艇に持ち帰り、捌いたのが下の写真。今夜は楽しみだ。

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イヤ〜ッ 、実に美味い、ビンチョウマグロ!マグロ類の中でいささか格落ちのマグロではあるが、認識を改めたい!

2019年夏クルーズ(四国)9月8日奈半利「奈半利港」

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2つの台風は見事に西日本を西に東に逸れてくれた。しかし、東側にいた15号は強い勢力のまま8日夜から9日にかけて関東上陸する形になる。これもまた心配な事になってきたが、日曜日以降の四国巡りクルーズ環境は、静穏化に向かうことになりそうだ。

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8時50分「とさ・龍馬海の駅」(太平洋マリン)の浮簡易桟橋でもやいを解き、高知港出口まではじっと我慢の10ノットスロー走行。港内は最徐行だし、目の前には保安庁の大型巡視船が先導する形で先陣を切っていた為、追い抜けず、港口まで20分かかった。ようやく港口を出た9時10分からは通常スピードに切り替え、約1時間で「奈半利港」に着いた。TV予報ではウネリ2mとなっていたのでちょうど良い距離である。途中、ウネリは0.5mまで下がり、風も3〜5m、快晴のボート日和であった。

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奈半利港」では、先ずジャリ砂搬運搬船が利用する本線岸壁で場所を探す。干潮時であった為、岸壁を見上げる程地面が高く、岸壁に梯子のある所を狙って接岸した。南東の風につき寄せの風であった。あとは歩いて漁協に挨拶。「時々、砂運搬船が来るから、出かける時は連絡先を窓に貼っておいてくれ、漁港内は皆場所と船が決まっておるけん、無理やで!」で一件落着。

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 この港は勿論、海の駅ではないため野性味タップリの時間を強いられるが、歩いて3分の所には「高知駅」につながる「ごめん・なはり線」の「奈半利駅」が有り、大きなスーパー、食べ物屋、飲み屋も有る。トイレも同様に複数箇所にある。さらに良い事に、少し歩く(10分強)が日帰り温泉施設(たのたの温泉700円)が有る事だ。このクルーズでは寄港先に手頃な温泉施設がなく、艇もしくは海の駅のシャワー利用だったので 楽しみである。実際に訪れたが、アルカリ、想定以上の泉質であった。

奈半利港」は、水深、スペース共に十分にある為、大型ヨットの寄港も叶う。南側に開いているが、それを避ける側の岸壁も十分な広さがある。本日から明日にかけては風が弱く、風向きも南東から南西に変わるのでこの場所での船中泊は問題ないと判断した。

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2019年夏クルーズ(四国)9月7日高知「とさ・龍馬海の駅」(太平洋マリン)

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TV天気予報もWindy.comも台風の影響によりウネリがさらに高まると予測している。今のところ泊地桟橋は昨日から静寂、勿論うねりの到来も感じない。昨日の緊張を強いられた足摺岬廻航の疲れと安堵感からか昼寝2時間、夜もぐっすり眠ってしまった。それでも規則正しく、6時に起きて、ゴミ出し、シャワールームと洗面所の掃除、エンジンルームに入ってオイルとクーラント、海水フィルタの点検を行っている。今日は、当初の計画通り、初めての高知ゆえ観光に終始しよう。それにしても13号、15号という2つの台風がそれぞれうまい具合に一方は西に、もう一方は東に進路を変えてくれたものだと思う。後はうねりの解消を待つばかりである。

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最初に行ったのが、有名な「桂浜」。しかし、あまりにもこれまで沢山にTV等でこのシーンを見ているので始めてきた感じがしなかった。むしろ、同地に有る「坂本龍馬記念館」の方に感じ入った。TV、映画、小説で馴染みの龍馬ではあったが、彼の実筆の手紙(勿論、読めないので現代語訳)を読むと、時代こそ江戸時代かも知れないが、その内容、展開っぷりは現代人と何ら変わらない。本当に面白い人物であると思った。 やはり、高知にとっての最大の観光コンテンツは今なお坂本龍馬であるらしく、観光協会のスローガンは「龍馬の休日」であったし、何よりも記念館来訪者の密度が違う。

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聖武天皇の命により行基(この2人 奈良の大仏の発願者と実行責任者)が中国五台山に似た場所に742年に創建。「竹林寺」と言う。ここ高知でもその名を取って五台山という地名。四国霊場巡りにおいては、31番札所。はりまや橋で「坊さんかんざし買うを見た」(南国土佐を後にして、歌手ペギー葉山)の坊さんは、同寺塔頭の修業僧として物語られていると運転手さんに聞いた。

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その「南国土佐を後にして…」で歌われた「はりまや橋」の写真。実際に訪れて爆笑してしまった。僅かな幅の運河にかかる小さな小さな赤い太鼓橋であった。後で聞けば、日本の三大ガッカリ名所の1つだそうで、残りの2つは「札幌の時計台」、昨年夏私が訪れた「長崎のオランダ坂」だそうだ。いずれも私は制覇している。

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これは高知城。長宗我部氏の後に入府した山内一豊がこの地に廃城状態にあった城を作り直した物であるという。江戸時代の城がほぼ完全な形で現存している数少ない例。

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次に訪れたのが有名な「ひろめ市場」、なにやら一度訪れたベトナムホーチミン)のマーケットプレイスの様であった。実際に食さなかったが、楽しい飲み場所であった。若者たちの飲み場所、グレイヘアー世代がここで飲んではいけない、場違い、場違いと言い聞かせて出て行った。

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実際に食したのが「大吉」。大変な繁盛店でカウンターの中には5人のベテラン料理人が私語1つ交わさず黙々と料理している姿が印象的であった。おそらく、高知No. 1の居酒屋であろう。料理は全て安くて、美味くて、速い、実力でこの人気を勝ち取ったのであると思う。

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最後に締めたのが、「大吉」の真向かいに有る高知の酒に特化した「土佐酒バル」。高知には18の酒蔵があるそうで、その全てを揃えている。高知の酒となると「土佐鶴」「司牡丹」が有名だが、東京で売られているのは、その中でも限られた品で、本当はもっと米、造り方を変えたバリエーションがあることを教えられた。私の好きな「南」もそうで沢山の種類があった。

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2019年夏クルーズ(四国)9月6日高知「とさ・龍馬海の駅(太平洋マリン)」

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「土佐清水港は避難港でもなんでもない、高知まで、駄目なら久礼漁港に逃げた方が良い。ふとか船なんだから足摺岬も問題なかろう」漁師からこんな話を聞けば、サッサと出港した方が良い。朝ごはんも食べず、6時10分に出港して、9時40分に高知港入り口に到着。そこからは徐行スピードでかなり奥まで進んだ。(航跡参照)結果的に「土佐清水港」からは63マイル、3時間半の航程で「とさ・龍馬海の駅(太平洋マリン)」浮桟橋に艇を舫った。この海の駅は陸電以外は全部完備、高知駅まではタクシーで15分(1,850円)と便利な場所にある。

しかし、街中マリーナなので給油は免税で110円/Lと高い、そして、係船料も35fサイズで1日8千円と四国、或いは全国レベルでも屈指の価格である。たった1つの高知県の海の駅、強気もうなずける。しかし、この価格なら200Vの給電は可能にして欲しい。燃料については、今回300L入れてこのクルーズ累計で1,250Lとなった。明日は終日、高知観光するつもりで、今そのプランを練っている。

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る。

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話がちょっとズレるが、ヨットの読者の方もいると思うので、荒天下のボート操船について書いてみたい。実は荒天時のボートの安全は推進力維持によって担保されていると言っても過言ではない。特に滑走艇の場合、舵の面積が小さいので、波の悪い中にあっても15ノット以上の艇速を維持していないと、比較的安全な波間を縫うように走る事が出来ない。また、舵さばきに加えてスロットルコントロールも的確に行わないと波頭から艇が飛び出し、船首が思い切り落下する。そんな操船をしていると映画「パーフェクトストーム」の船長(ジョージクルーニー)になった気分になる。この映画は、起死回生の策として危険な漁場に出掛けたクルーニーが2つの台風が合体した最強の台風に遭遇、仲間と共に沈没して果てる実話に基づいている。まさに今、私も2つの台風に挟まれている。頑張れHAPPY号!